家族のカタチ離婚の時代に

面会交流「同居親の協力が必要」当事者ら議論

2020年8月20日 13:47

 離婚などで離れて暮らす親と子が会う「面会交流」について学びを深めようと、オンライン講座「こどものための面会交流支援」が15日あった。子どもの心理に詳しい大学教員ら3人が講師を務め、両親の争いが子どもに与える影響や支援機関を整備する重要性を語った。離婚家庭の関係再構築をサポートする沖縄共同養育支援センターわらびの主催。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、離婚の当事者や家族支援に携わる人など約30人が視聴した。

小田切紀子東京国際大教授

名城健二沖縄大教授

草野智洋琉球大准教授(ビデオ会議アプリ「ズーム」より)

小田切紀子東京国際大教授 名城健二沖縄大教授 草野智洋琉球大准教授(ビデオ会議アプリ「ズーム」より)

 公認心理師で東京国際大の小田切紀子教授は、日本の家庭裁判所で決定する面会交流の頻度について「一律に月1回、数時間程度」とされることが多いと説明。「子どもの記憶はキャパシティーが小さく1カ月に1回だと(別居親を)忘れてしまう。子の年齢に応じた取り決めが重要で同居親の協力も不可欠」と述べた。面会交流の実施が対立する父母に委ねられていることを課題に挙げ、家裁と面会交流支援機関が連携し取り決めをフォローできる制度のほか、全都道府県への支援団体の設置、行政による資金助成の必要性を訴えた。

 小田切教授はドメスティックバイオレンス(DV)などが問題になった場合、加害親を被害親と子から遠ざけ家族を解体することが主な解決方法になっているとも指摘。双方からの丁寧な聞き取りとともに「暴力の再発防止に向けた矯正プログラムが重要」とし、安全・安心を最優先しつつ親子交流を促す視点が大切と説いた。

 精神保健福祉士で沖縄大の名城健二教授は、幼少期に受けた暴力や育児放棄などで人間形成に支障をきたす「愛着障害」を解説。親など特定の人との愛情を深められずに育ったことで周囲に強い警戒心を抱いて素直な態度が取れなかったり、逆に見知らぬ人にも無警戒に接してトラブルになったりする状態で、両親の離婚も要因になりうるという。愛着障害は衝動性や多動性の側面で先天性の脳機能障害である発達障害との区別が難しく、誤認されているケースもあるだろうとの見方を示し「見立てを間違えて対応すると、子どもを傷つけてしまうことにつながる」と懸念した。

 また、名城教授は自殺願望や性依存が強かった男子大学生の事例を挙げ、小学生の頃に親が離婚し、大好きな父親と説明もなく離ればなれになった見捨てられ不安が背景にあったとおもんぱかった。「親は子どもの年齢に応じて離婚理由や今後の生活について説明しなければいけない。適切な説明がないと子どもの心に大きなしこりが残り、人格形成にも悪影響を与えかねない」と訴えた。

 公認心理師でわらび理事でもある琉球大の草野智洋准教授は面会交流の基礎的な知識を講義。スタッフが父母の間に入って連絡調整や子どもの付き添い、共同養育プログラムなどを実施するわらびの活動内容を紹介し「沖縄の子どもたちの未来のため、活動に協力と支援をお願いしたい。まずはこの問題に関心を持ってほしい」と呼び掛けた。

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