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感染空母の乗組員「沖縄移送とんでもない」米軍計画に基地従業員ら憤り

2020年8月20日 05:30

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した米海軍の原子力空母の乗組員を沖縄などの米軍基地に移送する計画が明らかになったことに対し、県民からは「沖縄を米国の一部と思っているのではないか。治外法権だ」と怒りの声が上がった。

(資料写真)在日米軍

 沖縄平和運動センターの山城博治議長は「空母の感染者が注目を集めなければ、秘密裏に上陸させられていたはずだ」と憤慨。「米軍の沖縄への認識に腹が立つ。日本政府も米軍の姿勢を追認し、沖縄がまともに扱われないところに県民の痛み、憤りがある」と語気を強めた。

 基地従業員の40代の男性は「とんでもない話。沖縄に来ていたとしたら基地内での感染状況は今よりもひどい状況になっていたと思う。説明もなしに移送したら地元にも失礼だ」と憤った。男性は3~4月頃、基地内で「もしもの場合に備えて相当数の部屋を用意する準備を進めている」との話を聞いたといい、「時期が合致するのでこのことだったのかと思う。働いているのが怖い」と話した。

 米軍基地に出入りする個人タクシーなどでつくる沖縄中部個人タクシー事業協同組合の西銘宜則キャンプ・ハンセン会長は「仮に沖縄へ大量の乗組員が移されていれば今まで以上に打撃を受けたはずだ」と唇を震わせる。感染が拡大すれば基地内に入れず、1日の売り上げは3千円程度に落ち込む日もある。「補償がある訳でもなく、お手上げ状態になっていた」と話す。

 実際、同基地へ出入りするタクシー運転手の感染が判明した7月以降、収入減や家族らへの感染を懸念して基地内への出入りを止めた運転手は増えているといい、「基地への入域料の負担は増すばかり。これ以上の感染拡大は耐えきれない」と話した。

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