学びはだれのもの

沖縄の特別支援学校で深刻な事態 過密化や教室不足 関係者「このままでは教育の質保てない」

2020年8月23日 05:00

[学びはだれのもの]

教室確保のため増築されたプレハブ校舎=八重瀬町・島尻特別支援学校

県内の特別支援学校と小中高校の在籍者数の推移

教室確保のため増築されたプレハブ校舎=八重瀬町・島尻特別支援学校 県内の特別支援学校と小中高校の在籍者数の推移

 沖縄県の本島中南部の特別支援学校3校で過密化や教室不足が深刻になっている。在籍者数が増え続けているためで、県の想定する適正規模を最大で130人超過した。各校では教室を分割して使ったり、視聴覚室などの特別教室を転用したりして急場をしのいでいる。南部では学校新設が予定されているものの、中部地域では具体的な計画はなく「このままでは教育の質が保てない」と懸念が広がっている。

 130人超過は美咲特別支援学校(沖縄市)で、適正規模の1・5倍に達した。ほかにも島尻特別支援学校(八重瀬町)が103人、大平特別支援学校(浦添市)が86人、それぞれ超過した。

 特別支援学校は、主に重度の障がいのある子が通う。県は敷地面積などから適正規模を算定しており、3校とも目標は245人以内(本校のみ)。これに対して本年度の在籍者数は美咲375人、島尻348人、大平331人で、過大規模校化が進んでいる。

 美咲は本校だけでなく、「はなさき分校」(北中城村)も深刻だ。開校した2014年度には88人だったが、わずか6年で152人と2倍近くになった。来春からは「はなさき支援学校」として分離独立する。

 島尻と大平は、那覇みらい支援学校(那覇市)の開校に伴って一部の児童生徒が移る見通しだ。ただ、那覇みらいの建設場所で金属反応が多数確認されたため、開校時期は21年4月から22年4月に1年ずれ込んだ。

 県内の小中高生が年々減っているのに対し、特別支援学校在籍者は知的障がいの子を中心に右肩上がりに増え、19年度は計2388人。特別支援教育が始まった07年度の1・34倍になった。全国平均も沖縄とほぼ同じペースで増えている。

 県教育庁は「特別支援教育や障がいへの理解が深まったことや、周辺人口の増加が要因」と分析する。さらに小中学校の特別支援学級の在籍者が急増しており、中学卒業後に特別支援学校の高等部を希望する生徒も多いとみられる。

(編集委員・鈴木実)

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