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安倍首相と沖縄 復帰後最大の返還実現も新基地建設で激しく対立

2020年8月25日 08:06

 連続在職日数が2799日で歴代最長となった安倍晋三首相。第2次政権下では政府が否定してきた「基地と沖縄振興のリンク」をちらつかせながら、名護市辺野古の新基地建設をはじめとする沖縄政策を推進してきた。米軍の西普天間住宅地区(約51ヘクタール)や、沖縄の日本復帰後最大規模となる北部訓練場過半(約4千ヘクタール)などの返還を実現させる一方、強硬な手法は県との激しい対立を招いた。(政経部・大城大輔)

第2次安倍政権以降の沖縄関係予算と主な出来事

 2013年3月に辺野古の埋め立て承認申請を県に提出。同年末、沖縄関係予算を21年度まで3千億円台確保することや、米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止などを約束し、当時の仲井真弘多知事から埋め立て承認を引き出した。14年度当初予算は概算要求額より上積みし、前年度比500億円増の3501億を計上した。

 14年7月には新基地建設事業に着手。同9月の内閣改造で、菅義偉官房長官を基地負担軽減担当に任命。沖縄政策の官邸主導がより鮮明になった。

 辺野古反対を掲げる故翁長雄志氏が14年12月に知事に就任し、県との対立は激化する。15年は辺野古を巡り県と5回の集中協議を重ねたが物別れに終わり、翁長氏が同年10月に埋め立て承認を取り消し。15年度予算は3340億円で161億円の大幅減となった。

 埋め立て承認取り消しを受けた法廷闘争で16年3月に和解が成立するも、同12月の最高裁で県が敗訴。政府は最高裁判決を後ろ盾に工事を推進している。

 北部訓練場を返還するため、住民の反対運動で進んでいなかった東村高江のヘリパッド建設を強行。16年7月に約500人の機動隊員を派遣、資材搬入に自衛隊ヘリを投入するなど、同12月に北部訓練場返還にこぎ着けた。

 18年12月には辺野古の埋め立て海域に初めて土砂を投入する。19年2月、玉城デニー知事の下実施された新基地建設の賛否を問う県民投票で「反対」が投票総数の7割を超えたが、翌日も工事を強行。普天間飛行場の危険性除去を巡り、「もはや先送りは許されない」と辺野古推進の姿勢を堅持した。同月末、普天間飛行場の5年以内の運用停止を実現できないまま、期限を迎えた。新基地建設に県の協力が得られないことを理由に挙げ、責任を県に転嫁した。

 18~20年度の沖縄関係予算は3010億円と首相が約束した3千億円台ぎりぎりで下げ止まり、県や市町村が増額を求めている一括交付金は減少。19年度に県を通さず市町村に直接交付する「沖縄振興特定事業推進費」を新設し、事実上、県の裁量を狭めている。

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