沖縄都市モノレール県庁前駅付近の久茂地川に、自転車が投棄される事件が後を絶たない。昨年4月~今年6月に少なくとも4度、それぞれ川から10~20台以上、計約70台の自転車が引き揚げられるほどの投棄が確認されている。これまで実効性のある対策が取られてこなかったが、那覇署が8月13日、防犯カメラを臨時的に設置。駅下の駐輪場を管理する那覇市は本格運用するカメラの設置を進めるなど、対策に本腰を入れる。関係各所は「5度目」を阻止すべく神経をとがらせている。(社会部・勝浦大輔)

久茂地川に投棄された自転車を撤去する作業員=6月19日、那覇市・沖縄都市モノレール県庁前駅下

 同駅下の駐輪場付近に止められている自転車が川に投棄されているとみられている。駐輪場は、白線が引かれた駐輪スペースからはみ出た自転車が目立つ。こういった市内での放置自転車も投棄の一因と考えられている。

■進まなかった実効策

 駐輪場と市道を管理する那覇市道路管理課は、投棄が起きた際は、自転車の二重ロックの強化など注意喚起の張り紙をするなど対応してきたが、目立った効果は見られない。放置自転車に関し、所有者に罰金を科すなど取り締まりを強化する条例の本年度制定を目指しているが、投棄問題の改善につながるかは未知数だ。

 対策に効果的と考えられる「防犯カメラ」。市道路管理課によると、道路管理者の同課がカメラを設置することは、道路に設置できる物が細かく定められている道路法上のハードルが高く「他自治体でも例がない」という。一方、那覇署は、警察がカメラを設置する場合は犯罪捜査が目的となるため一時的となり、「防犯目的で市が継続的に設置する方が良い」との立場。協議は平行線で、設置は進まなかった。

 4度目の引き揚げ以降、市や那覇署は協議を重ね、設置案を模索。道路管理者ではない市民生活安全課が、管理者の道路管理課に防犯目的のカメラ設置を申請するという「突破口」を見つけ、那覇署はそのカメラが設置されるまでの「臨時的な措置」として、カメラを設置する運びとなった。

■民間と連携した管理視野

 駅下駐輪上の道向かいの商業施設「パレットくもじ」を運営する久茂地都市開発は、職員がボランティアで施設周辺の清掃を毎日行っている。4度目の投棄も、清掃中の同職員らが水位の下がった久茂地川で自転車を見つけ、発覚した。同社の我那覇学社長は「投棄される自転車は市民の財産。盗難、川に投げ込む行為を防ぎたい。来街者が安心・安全に過ごせる久茂地界隈かいわいにしたい」と話す。

 市はさらなる対策も視野に「道路協力団体制度」を用い、県庁前駅下を含むパレットくもじ周辺の市道を市と連携して管理する民間団体の公募を8月14日に始めた。久茂地都市開発はエントリーの準備を進めており「仮に認可されれば、有料駐輪場の設置なども視野に、環境整備をしていきたい」と力を込めた。