沖縄県内の広い範囲で大雨を降らし、土砂災害などの被害を出した台風8号は、22日に沖縄周辺の海域で突如姿を現した。8月以降、沖縄周辺の海域で台風の発生が続いている。なぜか。理由に挙げられているのが、海面水温の上昇と気圧配置だ。海面水温は7月に沖縄の南海域で最高値を記録、8月も平年より1~2度高い状況が続いている。

2018年と20年8月に台風が発生した主な地点

2018年と20年の8月の海面水温比較

2018年と20年8月に台風が発生した主な地点 2018年と20年の8月の海面水温比較

■気圧配置

 22日午前9時、与那国島の南の海上で熱帯低気圧が台風8号に姿を変えた。23日午後9時ごろから沖縄本島に接近し、渡嘉敷村では50年に1度の記録的な降水量を観測するなど各地で大雨が降った。

 今年8月はこれまでに計六つの台風が発生。台風8号のほか日本に接近したのは4号と5号の二つで、いずれも沖縄の南側にある周辺海域で発生している。沖縄気象台地球環境・海洋課の砂川友一予報官は理由について、気圧配置と海面水温の上昇が要因になっている可能性を指摘する。

 台風がゼロだった7月は、平年より太平洋高気圧が南西に強く張り出し、南シナ海からフィリピンの東の海上で下降気流が発生して台風ができにくかった。一方、8月は太平洋高気圧の張り出しが北上したため、南シナ海からフィリピンの東の海上で対流活動が活発化したという。

■水温の上昇

 さらに平年と比べ、海面水温が上昇。気象台によると、沖縄の南の海域で7月の海面水温が平年より1度高い30・3度を記録。解析値のある1982年以降で最も高かった。

 気象庁が公表する海面水温の解析図では、8月24日時点で沖縄周辺海域が30度を示すピンクで染まった。25度以上を示す赤みがかった2年前と比べると、水温の上昇がうかがえる。

 海面水温の上昇は台風の発生しやすさに加え、台風の勢力にも影響するという。勢力の発達の目安は27度。海水温が上がると水蒸気の量が増えるため、台風は水蒸気をエネルギーにして発達していく。

 沖縄の北側の海上でも海面水温が30度前後と上がっており、発達した状況が続く台風8号に流れ込む湿った空気の影響で、26日も大気の状態が不安定となり、大雨が降ったという。

 砂川予報官は「台風シーズン真っただ中。台風が沖縄周辺で発生すれば、接近までの時間は短い。台風に備えた対策を早めにとってほしい」と話している。(社会部・光墨祥吾)