1980年代後半に活動した県出身バンド「六人組」のCD「1984-88」(ディスクユニオン)が7月にリリースされた。ポップスと沖縄音楽を融合させたスタジオでのデモ録音とライブの16音源が36年を経て日の目を見た。グループを率いた國場幸順は「当時の自分たちの音楽を形にすることができた」と喜ぶ。(学芸部・天久仁)

CDのリリースに「このような音楽があることを知ってほしい」と話す國場幸順=那覇市内

「1984-88」のジャケット写真

CDのリリースに「このような音楽があることを知ってほしい」と話す國場幸順=那覇市内 「1984-88」のジャケット写真

 「六人組」は1984年、「NHKヤング・ミュージック・フェスティバル」県大会出場を打診された國場の呼び掛けで結成した。ドラムの國場をはじめ、ボーカルのミユキ、ギターの矢野憲治、ベース金城浩樹、キーボード玉城さとみの5人で臨んだ同年12月の県大会で金賞。翌85年3月の全国大会でも頂点の金賞を射止め、一躍注目された。

 國場の作詞、作曲による「水辺の踊り」はエキゾチックなミユキのボーカル、幻想的な楽曲と演奏で審査員から高い評価を得た。「(県大会の)出場が決まって急いでメンバーを集め、2日ほどで曲を作った」と國場。ベースラインやギターの響きなど曲への思いを伝え、若いメンバーの力を引き出したという。

 当時30歳。那覇市内のレコード店で仕事をしながら音楽活動を行い、エスニック音楽やフュージョンなど幅広い音楽に触れていた國場は、東南アジアの中の沖縄をイメージしながら、琉球音階とインドネシアの旋律を混ぜ合わせてフレーズを重ねた。

 「ワールドミュージック」という音楽のカテゴリーが定着していなかった時代の音作りに「試行錯誤で苦労もあったが、やりがいがあった」と振り返る。関西や関東でのライブで全国のファンをつかんだが、メンバーを取り巻くアクシデントが重なり、正式な音源を残さないままバンドは88年に解散した。

 今回のCDは85年の自主制作テープ、86年のライブ音源を基に、沖縄音楽に関心の高いミュージシャン、久保田麻琴の監修でリリースが実現した。「水辺の踊り」「祭りの行列」などの楽曲は、オリジナルの曲作りを意識した当時の沖縄のミュージシャンの息遣いを伝えている。

 「沖縄で何か新しいものを作りたかった」と話す國場。「このような音楽があることを知ってもらいながら、聴いてほしい」と強く願う。

 CDは2750円。問い合わせはディスクユニオン、電話03(3511)9955。