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無念のエイサー中止「責任を持って判断」 沖縄の夏の風物詩存続へ若者らアイデア練る 車両から映像放映、SNS拡散図る 

2020年8月31日 05:30

[新型コロナ 沖縄の今]

車両にスクリーンを載せてエイサーの映像を流す「石川エンサー保存会」(同保存会提供)

 「ヒーヤ、ハーイヤ」-。沖縄の夏の風物詩、旧盆のエイサーや地域を練り歩く道ジュネーが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため軒並み中止となっている。近所に鳴り響く太鼓の音を聞くことができない地域も多い中で、伝統を存続させようと奮闘する若者たちがいる。

 「エイサーのまち」を宣言する沖縄市では、ほとんどの青年会が中止を決めた。戦前からの歴史を持つ胡屋青年会は、「寂しい」という地域の声に応えようと、旧盆期間中は車両にスピーカーを載せてエイサーの曲を流しながら“道ジュネー”することを決めた。宮城大輝会長(22)は「例年通りの気持ちでやろうと話し合った」と意気込む。

 「沖縄全島エイサー」で大トリを務め、県内外で活躍する園田青年会は、昨年の道ジュネー動画をウンケーの31日夕方に動画サイト「ユーチューブ」にアップする。会員制交流サイト(SNS)での拡散が狙いだ。小浜守生(しゅう)副会長(24)は「毎年、県外から道ジュネーを見に来る人もいる。全国の人に届いてほしい」と話した。

 「エイサー発祥の地」をPRするうるま市でも、10の青年会のほとんどが道ジュネーの中止を決めた。

 250年以上の伝統を持つ市石川の石川エンサー保存会も、車にスクリーンとスピーカーを積み、過去の映像を流しながら地域を回る。発案者の大川豊治さんは「伝統は、一度途切れるとモチベーションを復活させるのが大変。次世代に受け継ぐためにも何かしたいと思った」と言う。

 勇壮な「東(あがり)」としなやかな「西(いり)」の2組に分かれた演舞で県外のファンも多い市勝連の平敷屋青年会も旧盆期間中は道ジュネーは行わず、拝所での奉納演舞のみ規模を縮小して実施する。新屋幸之会長(25)によると、フェースシールドをつけての演舞なども検討したが、動きが激しいエイサーでは難しいという。

 新屋会長は「連日、『やらないのか』と電話で問い合わせが来るが、感染拡大を考えれば、責任を持って判断しなくては」と無念さをにじませ「演舞できるのは25歳まで。自分もこれが最後になるのは残念」と唇をかむ。だが「来年以降のことは分からないが、自分たちの代で途切れないよう、日頃の練習に取り組みたい」と前を見据えた。(中部報道部・宮城一彰、豊島鉄博)

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