警察官や金融庁職員を装った特殊詐欺事件に関わったとして沖縄弁護士会の有志21人が弁護団を結成し、指定暴力団旭琉會トップの花城松一会長代行に約1030万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、那覇地裁であった。山口和宏裁判長は暴力団対策法(暴対法)上の責任を負うと認定し、被害者側に約310万円を支払うよう命じた。

那覇地裁

 暴対法は、指定暴力団の組員が威力を利用した資金獲得行為で他人の生命や身体、財産を侵害した場合、トップらが損害賠償責任を負うと規定する。特殊詐欺で暴力団トップに暴対法上の責任を適用したのは水戸地裁などであるが、県内では初めて。判決により被害者救済の新たな道筋が開かれる可能性があるほか、反社会的勢力の資金源を断つことなどが見込まれる。判決後、取材に応じた宮里猛弁護団長は「実行犯は末端組員でも暴力団トップに賠償を認めたことで、今後の犯罪抑止につながる。今後も特殊詐欺を繰り返すようであれば裁判に訴えていきたい」と話した。

 判決によると、組員らは被害者2人から計約260万円を不法に搾取。原告側は被害額に加え各300万円の慰謝料などを求めたが、慰謝料は被害額の1割が相当とした。