首里城火災の背景や再発防止策を話し合う沖縄県の第三者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」は、11日、玉城デニー沖縄県知事へ中間報告書を提出した。報告書で、夜間の火災を想定した教育や訓練が不足しており「実質的な初期消火には至らなかった」と分析した。再発防止に向けて、初期消火に必要な人材の確保や訓練、設備の導入などを求めた。

(資料写真)火災で焼失した首里城正殿

 中間報告書では、主に火災時の事実関係を確認し、整理した。

 想定し得る出火原因としては「放火などの人為的な火災の可能性は低い」と分析。現時点では「電気関係設備が原因となった可能性は否定できない」とした。

 消防活動上の問題点もまとめた。放水開始までに時間を要した要因として、城郭周囲の消火栓からホースを長距離に渡って延ばす必要があったことや、施錠された門を挙げた。正殿に設置されたイベント用舞台装置も消防活動の障害となったと指摘。防火水槽の水量も円滑な消防活動には不十分であったと分析した。

 法的な面では、正殿を含む城郭内の全ての建築物が消防法の基準を満たしていたことを確認。ただし「スプリンクラーなどは設置されていなかった」と、初期消火に必要な設備が備わっていなかったことを指摘した。

 首里城は、城壁に囲まれた高台にある木造建築などで「早期発見および初期消火が極めて重要な鍵を握る」とまとめた。再発防止に向けては、消火設備などのハード面と、それを管理するソフト面が連動した防止策が必要とした。

 正殿の復元には、バリアフリーなど、災害発生時の避難を考慮に入れ、「文化財的価値と火災などに対する安全性のバランスの取れた建築物の再建を検討するべきだ」と提言した。

 昨年10月に主要な建物が焼失した火災を受け、委員長の阿波連光弁護士をはじめ、法律や防災・防火、公園計画の専門家計5人が現場視察や会合を開いて検討を進めてきた。

 これらの整理・分析を踏まえ、本年度末には、再発防止策をまとめて県へ提出する。

 報告書の全文は、同日中に県ホームページで公表する予定。