【久高泰子通信員】フランスのパリ郊外にあるバルビゾン村は、「晩鐘」や「落ち穂拾い」で知られる画家のミレーなど、バルビゾン派と言われる風景画家たちが19世紀に活動していた世界的に著名な「美術村」。その由緒あるバルビゾンの目抜き通りにある「ベシャラット画廊」に、パリ郊外に住む石垣市登野城出身の与座英信さん(68)が描いた100号の大型の絵画など十数点が常設展示されている。

自身の大作「旅立ち」の前で笑顔を見せる与座英信さん(右)とベシャラット・マッスウドゥさん=8月30日、パリ

 与座さんは八重山高校卒業後、新宿美術研究所でデッサンを学んだ。1979年から81年まで渡米し、82年からパリを拠点に画家として活動。現在はヨーロッパ各地や米ニューヨークなどで個展を開いている。

 2012年にバルビゾン村で「バルビゾン~京都」と題する与座さんの個展を開催していた際、同地に画廊の設立を予定していたベシャラット・マッスウドゥさんが来館。与座さんの作品を称賛し、大作など6点の作品を購入した。

 バルビゾン村に画廊を開設後も機会あるごとに与座さんの作品を買い上げた。画廊内には多くの作品が展示されているが、特別に「与座の間」を作るほど与座さんの作品を高く評価している。

 米国アトランタ市にも画廊を持つベシャラットさんは、絵画の純粋な愛好家。自身が運営する「ベシャラット画廊」では、古い歴史を持つ美術館のような大きな建物に、バルビゾン派から現代イタリア彫刻まで、幅広い分野の美術品を収集展示している。

 与座さんの作品のテーマは「風」。動けば「風」、止まれば「空気」、集まれば「霞(かすみ)」とさまざまに変化する姿を説明しながら「空気に生かされて風のバリエーションを描いている。今はバルビゾン村に隣接するフォンテンブローの森の『冬の風』を描いている」と話す。「若い人には自分が興味を持ったもの、好きだと思うことを徹底して最後までやってほしい」とエールを送っている。