沖縄の枠を越え、海外市場へ挑戦する県内企業が増えている。「世界に挑む~市場を拓くウチナー企業新戦略」では、自社の強みを生かし、市場を拓く企業の新たな挑戦を描き、時代を乗り切るヒントを紹介する。(企画・制作 沖縄タイムス社広告局)

久米島海洋深層水など県産素材を使った化粧品「Ryuspa」などの製造・販売を手掛けるポイントピュールの大道敦社長

 久米島沖2.3キロメートル、水深612メートルから採水した海洋深層水を使い、化粧品製造を請け負う県内最大のOEMメーカー、株式会社ポイントピュール(久米島町)。創業15年、自社ブランド化粧品「Ryuspa」シリーズは2008年の発売以来、韓国、香港、台湾、ベトナム、ロシアに加え、シンガポールでの販売も予定している。

 そして16年3月、イスラム教徒(ムスリム)の観光客をターゲットに開発したシャンプー、コンディショナー、ボディーソープのアメニティーで県内初の「ハラール」認証を受けた。「宿泊地の食事に関するハラールの必要性は浸透しつつあるが、化粧品関連はこれからの分野」と代表の大道敦氏は語る。受け皿となるホテル需要を見込み、ミネラル豊富で清浄な海洋深層水と、独自に海藻から抽出した基材で他社との差別化を打ち出し、新たな市場に挑戦する。

「Ryuspa リファイニングシリーズ」は、久米島海洋深層水と沖縄天然素材を使い、機能性美容成分に着目した商品

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 「県内最大」のOEMメーカーになるまでの道のりは平たんではなかった。島内で理・美容室を経営して20年。理容師の職業病とも言える手荒れに悩み「どうにか安心・安全なシャンプーは作れないか」と考えていた。そこに海洋深層水研究所の設立が追い風となり「主成分となる水」にこだわった商品開発の道へとかじを切った。

 しかし、離島の企業にとって自社ブランド商品の開発、販路開拓は簡単ではない。手探りの中、ある商談会で大手から製造委託の話が舞い込む。販売力のある相手と組み、商品設計などOEMのノウハウ蓄積につながる転機となった。その後、自社ブランドの再構築にも生かされていく。

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 「海外では高品質なメード・イン・ジャパンへの憧れがある」。小さな島から生まれた「Ryuspa」シリーズは増産に向け5月、島内の製造工場を増設する予定だ。また一昨年、同社の育毛剤と美白ジェルが「医薬部外品」に承認され、「予防、改善」へアプローチする商品も誕生した。 「沖縄の癒やし、熱帯のエネルギーを感じさせる商品作りで、世界に通用するブランドを育てたい」。海洋深層水という島の恵みを生かし、品質の高さを科学的に示す研究を重ねながら、さらなる挑戦は続く。

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株式会社 ポイントピュール

■代表取締役 大道 敦

■設立 2001年

■住所 久米島町真謝486-12

■電話 098(896)8701

■従業員 40人

■業種 化粧品製造業

■主要製品 化粧品OEM製品製造、石けん・クレンジング・基礎化粧品、水溶性ジェル・エステ用製品・痩身ジェル、その他業務用製品

■同社ホームページはこちらから

ポイントピュールの自社ブランド化粧品「Ryuspa」シリーズをはじめとする島コスメのショップ「琉球コスメハウス」。同社の大道りつ子専務(中央)を中心に販売を手がけるスタッフの皆さん=那覇市安里