沖縄の枠を越え、海外市場へ挑戦する県内企業が増えている。「世界に挑む~市場を拓くウチナー企業新戦略」では、自社の強みを生かし、市場を拓く企業の新たな挑戦を描き、時代を乗り切るヒントを紹介する。(企画・制作 沖縄タイムス社広告局)

「アニメコスメ」の輸出事業を手がける新垣通商常務の新垣美佳さん。(那覇市のHAPiNAHA)

 1990年代、日本の少女たちを熱狂させたテレビアニメ「美少女戦士セーラームーン」。40カ国以上で放映され、誕生から20年余を経た今もなお「Kawaii」ルックスで世界を席巻し続ける伝説的アニメだ。グッズ市場のうち、特にヒロインの世界観をメークアイテムにした商品が近年、香港、台湾を中心にASEAN圏へと販路を伸ばしている。玩具メーカーバンダイが展開する化粧品ブランド「クレアボーテ」と提携し、「アニメコスメ」シリーズの輸出事業を一手に引き受ける総合商社の新垣通商(新垣旬子代表、那覇市久米)。事業を手がけるのは「幼少時代からアニメ好き」という新垣美佳常務だ=写真。

『美少女戦士セーラームーン』シリーズのアニメコスメ、ミラクルロマンス コズミックハートチーク(右) とミラクルロマンス メイクアップモイスチャールージュ(左)

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 昨年、那覇市の三越跡地にオープンしたHAPiNAHA(ハピナハ)2階。「ベルサイユのばら」「うる星やつら」など人気アニメのキャラクターが施されたメークアイテムが「AnimeCosme」と書かれた棚にずらりと並ぶ。インバウンドから地元客までが訪れる観光スポットでの第1号の実店舗だ。「世界観の演出、見せ方が勝負の分かれ目」。東日本大震災後、香港、台湾で人気のあった日本製品の輸入規制が厳しくなる中、トップアイドルをPRに起用する韓国・台湾勢にみるみるシェアを奪われた。「品質の良さは負けないのに」。何の手も打たなければ市場は消える。対抗策に着目したのが、日本のアニメヒロインキャラクターだった。

『セーラームーン』や『ベルサイユのばら』などのアニメコスメや、『ハローキティ』、『ワンピース』など世界で人気のアニメキャラクター雑貨が一堂に揃う新垣通商の実店舗「Anime Cosme」(那覇市・HAPiNAHA)

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 2011年、シェア奪還を目指し、「アニメコスメ」の専属代理店契約を結ぶ。店舗のディスプレーに着手し、商品はシリーズ化して、まとまりで魅せる手法でインパクトを狙った。「アニメ=メード・イン・ジャパン」のイメージ戦略は的中し、8カ月で巻き返しを図った。その取り組みは香港ビジネス誌でも評価された。香港に現地法人設立後、台湾、シンガポールと次々支店を開設し輸出先は7カ国・地域に。今年はタイ、来年はベトナム、カンボジア、フィリピン市場も見込む。今後はメーカーとしての進出も視野に入れる。「夢は米国一大マスブランドに並ぶこと」。貿易業を営んでいた祖父から続く開拓精神を胸に、挑戦は続く。

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株式会社 新垣通商

■創業 1980年

■法人設立 2012年

■代表取締役 新垣 旬子

■住所 那覇市久米2-11-13

■電話 098(861)3506

■従業員 15人

■事業内容 貿易事業部、空港施設事業部、環境事業部、プロモーション事業部、ホテル事業部、通信販売事業部

■グループ会社 サンテック開発、琉鳳堂、沖縄JCS学院、プロジェクト琉球

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