障がい者やその家族などから相談を受ける沖縄県宜野湾市の「委託相談支援事業所」(市内2カ所)が、これまでのような民間の委託先が見つからないとして、ことし4月から市の直営となっている。過去15年間にわたり運営してきた民間事業所のノウハウが市側へ十分引き継がれておらず、同事業所は「担当者や支援内容が変わったことで、利用者が不安がっている」と困惑している。

松川正則市長(右から2人目)に要望書を手渡す有志会代表者でNPO法人「交流広場ハッピーハウス」の知念忠昭管理者(左から2人目)=14日、宜野湾市役所

 障がい者向けのサービスプランを練る計画相談支援事業所など、市内20事業所の有志会(代表者・知念忠昭NPO法人「交流広場ハッピーハウス」管理者)は14日、市役所に松川正則市長らを訪ね、委託相談支援事業所を早急に民間委託するよう要請した。

 有志会によると、サービス利用者から「担当が役所の人に変わるなら、引き継ぎは結構です」と今後の支援を断る人や「役所は“上から目線”だから、私たちの相談事は流されてしまう」と不安を訴える人が出ている。

 さらに障がい者や家族からの相談が、委託相談員ではなく民間の計画相談員に寄せられるようになり、本来の業務であるサービスプランの計画まで手が回らない状況だという。計画相談員は「これまで、サービス利用者の病院同行は委託相談員にお願いしていたが、役所ができないというのでむげにできず続けている」「役所に一緒に関わってほしいケースがあるが、担当者から『役所外の会議への参加は制限されている』と言われた」などと困っているという。

 市によると、委託相談支援事業所は過去15年間、民間事業者に指名型の随意契約で委託してきた。民間事業者が増えてきたため、2020年度から公募型の随意契約に切り替える方針へ変更。19年度に計2回公募したが、要件や契約内容で折り合わず不調に終わった。

 市議会9月定例会では15、16の両日、公明の3市議全員がこの問題を取り上げた。市は今後、仕様書の中身を単年度契約から複数年契約に見直すなどして、民間委託を目指す考えを示した。松川市長は「緊急的な方策がないか、もう少しお時間を頂きたい」などと答弁した。