【宜野湾】男女共同参画社会について考える講座(主催・市)が12日、同市内であり、同市男女共同参画会議の会長で沖縄キリスト教学院大学の新垣誠教授が講演した。男女共同参画社会を「どんな人でも自分らしく生きられる社会。簡単にいえばラブ&ピース」と定義し、「男らしさ」「女らしさ」が国内で重視されるようになった歴史的な背景やこれまでの国際社会の動きを解説した。

講演する沖縄キリスト教学院大学の新垣誠教授=12日、宜野湾市男女共同参画支援センター「ふくふく」

新垣誠教授の講演を聴く参加者

講演する沖縄キリスト教学院大学の新垣誠教授=12日、宜野湾市男女共同参画支援センター「ふくふく」 新垣誠教授の講演を聴く参加者

 新垣さんは「明日の食べ物に困るわけでもないが、昔とは違う満たされなさ」の正体は、男らしさや女らしさを強いる社会のジェンダー規範だと指摘。学生から「生きづらい」との声も聞くという。

 一方で、日本のジェンダー規範が出来上がったのはわずか約150年前。明治維新を契機に身分制度が廃止され、個人の努力次第で立身出世する時代になってからだという。男性には学歴が求められたが、女性は「学なきを良しとす」。男性を支える「良妻賢母」の役割が重視された結果、夫や息子の命を国に喜んで差し出す軍国の妻・母が称賛されたという。

 国際社会に目を転じると1970年代、途上国での環境破壊や労働力搾取などの問題を踏まえ、男性主導で進めてきた経済開発に疑問が高まった。「意思決定の過程に女性も参画すべきだ」との考えが広がり、80年代には女性の社会進出が進んだ。だが、家事、育児、介護を男女で分担しようとする視点が欠けていたとし、新垣さんは「女性が低賃金で働かされたまま、貧困が続く悪循環に陥った」と解説した。

 講演では「男女共同参画社会に関する誤解あるある」も紹介。第一に「共同参画は男女の性差をなくすわけではない」と説き「性差を理由とした偏見や差別をなくすのが目的。例えば、女性専用車両は女性ゆえのハラスメントを考慮した結果で、男性差別には当たらない」と説明した。

 また「共同参画だからといって専業主婦を否定するわけではない。外で働きたくても働けない女性がいることが問題」「共同参画社会になっても家族の絆は崩壊しない。男性に企業戦士であることを強いた経済成長期こそ、家庭が壊れた歴史がある」と述べた。

 近年は女性だけでなく性的少数者を含めた多様性の視点が広がっているとし「どんな人でも住みやすく幸せを感じるまちづくりを考えていきたい」と呼び掛けた。