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「オール沖縄」連敗、勢力の弱体化か 自民関係者「大歓迎」【深掘り】

2020年9月22日 09:53

 13日の西原町長選で前町議で副町長も務めた崎原盛秀氏(63)が、「オール沖縄」勢力を構成する政党の推薦を受けた小橋川明氏(68)を破り、初当選した。両氏とも名護市辺野古の新基地建設に反対し、事実上の革新分裂。「オール沖縄」内では「候補者選考自体の失敗だ」との受け止めがあるが、8月の今帰仁村長選に続く敗北に勢力の弱体化を懸念する声も渦巻く。

 「予想外の票差だ」。2522票差で敗北した小橋川氏の陣営幹部は肩を落とした。

 上間明町長の後継者として立候補した元副町長の小橋川氏は共産、社民、社大、立憲民主、国民民主、れいわの6党の推薦を受け「オール沖縄」を前面に掲げた。

 一方、支援要請を受けたが玉城デニー知事は動かなかった。側近は「両氏とも政治姿勢は県政と同じ。肩入れした方が負ければ禍根しか残らない」と明かす。

 背景にあったのが、8月の今帰仁村長選だ。共産、立民、国民の推薦を得た現職の喜屋武治樹氏の法定ビラに写真を掲載するなど知事は全面支援した。だが、新人の久田浩也氏に敗れた。革新地盤と言われる今帰仁村で手痛い敗北。「知事が前面に出れば傷が付きかねない」(与党幹部)と西原町長選では控えた。

 小橋川陣営関係者は、敗因の一つに皮肉にも「オール沖縄の支援」を挙げる。県関係の国会議員や県議らが選対本部に駆け付けたが「まるで選対を乗っ取られたようだった」と述懐。町外からの手厚い支援にしらけムードが漂ったという。

 一方、県政与党からは「町職労の小橋川氏支援は限定的だった。上間町政への不満から崎原氏へ票が流れた」と小橋川氏への恨み節も漏れる。

 革新地盤の西原町で自民は候補者擁立を見送り、一切関わらず「眠る」ことを選択した。だが、革新分裂に「付け入る隙」(県連関係者)も見いだしていた。

 崎原氏が構えた事務所は6月の県議選で自民推薦候補が使った事務所跡。選対幹部は「たまたまだ」とけむに巻く。自民は前面に出て支援することはなかったが、事務所には時折、町外の自民や保守系議員らの姿もあった。

 自民関係者は「オール沖縄の分裂は大歓迎だ。今帰仁も、西原も不戦勝で漁夫の利を得た」と声が弾む。

 与党関係者は「地域の首長選での敗北はオール沖縄体制にボディーブローのように効いてくる。内ゲバは何も生まない」と述べ、連敗に嘆息した。(政経部・大野亨恭、社会部・宮里美紀)

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