本紙特約通信員のジョン・ミッチェルさんらが先月、岩波ブックレット「永遠の化学物質 水のPFAS汚染」を刊行した。環境に数千年残ることから「フォーエバー・ケミカル」とも呼ばれる有機フッ素化合物PFASの害を一から解説している。

「永遠の化学物質 水のPFAS汚染」を刊行したジョン・ミッチェルさん

 PFASを研究してきた京都大名誉教授の小泉昭夫さん、沖縄の汚染実態を取材してきた琉球朝日放送(QAB)記者の島袋夏子さんとの共著。それぞれの知識と経験を持ち寄り、多角的な入門書とした。

 PFASにはPFOS(ピーホス)やPFOA(ピーホア)などの種類がある。1950年代以降、焦げ付かないフライパン、水をはじく衣服、化粧品などの製造に利用されてきた。企業は早くから毒性に気付いていたが公表せず、米軍も泡消火剤として利用し続けた。

 欧米では深刻な汚染に注目が集まり、行政が規制に乗り出した。一方で、日本の対策は立ち遅れている。米軍基地が集中する沖縄のほか、東京、大阪にも問題が広がっていることをブックレットは示す。

 ミッチェルさんは「私たちは飲料水だけでなく、魚やちりなど無数の経路から体内にPFASを取り込んでいる。特に子どもたちに起こり得る悪影響を知ってもらうため、短く分かりやすく手頃なブックレットを作りたかった」と話した。

 価格は税込み682円。