[専門家のイロメガネ]

[村上裕一ITmedia]

コロワイドは多数の外食企業を買収して成長してきた(同社Webより)

 大戸屋ホールディングス(以下、「大戸屋」)への敵対的TOBを成功させ、ほとんどの経営陣を入れ替えると公表した外食大手コロワイドが場外乱闘に巻き込まれている。

 デイリー新潮が7月に公開した「コロワイドは債務超過に陥りかねない」という記事が原因だ。

 コロワイドはその内容に「看過し難い虚偽の情報を含んでいる」と、非常に強い調子で反論し、「虚偽の報道によって当社の名誉・信用を毀損するものとして、新潮社に対する法的処理を講じてまいる所存」という公式リリースまで出している。

新潮社に対してコロワイドが出したリリース

 記事で書かれていることは、「コロワイドが資産として計上しているのれんに価値は無く、のれんが消えれば債務超過に陥る」といった内容だ。会計知識に詳しくない人には一体なんのことやら? と思われるかもしれないが、これはコロワイドが買収を繰り返してきた状況と大いに関係がある。

 この場外乱闘には、のれん、無形資産、減損といった「企業価値とは何か?」を理解するために必要な要素が多数含まれている。筆者は公認会計士として、監査や経理、ファイナンスの分野で12年勤め、現在は会計コンサルティングを行っている。そんな立場からこの騒動を考えてみたい。なお、本稿は一般読者向けに分かりやすい説明を優先した、平易な言葉遣いや表現とした。