琉球大学熱帯生物圏研究センターなどの合同研究チームは23日、インドネシアで新種のコモチサヨリを発見したと発表した。くちばしのように長く突き出した下あごが特徴の魚だが、新種は下あごが完全に退化している。新種に気付いた同センターの大学院生、小林大純(ひろずみ)さんは「コモチサヨリ科やサヨリ科の魚の下あごが長い理由は謎のまま。いろんな角度から調査し、退化の理由を解き明かしたい」と意気込んでいる。

長い下あごが退化した新種のコモチサヨリ。上がオスで下がメス(小林大純さん撮影)

西表島に生息するコモチサヨリ。長く突き出た下あごが特徴的(小林大純さん撮影)

長い下あごが退化した新種のコモチサヨリ。上がオスで下がメス(小林大純さん撮影) 西表島に生息するコモチサヨリ。長く突き出た下あごが特徴的(小林大純さん撮影)

 新種は2018年11月に、インドネシアのスラウェシ島中部のチェレカン川で見つかった。河川や湖に適応したノモランファス属の仲間。研究チームによると、新種の名前は「ノモランファス・エニグマ(謎のノモランファス)」。

 生まれたての稚魚から7センチほどの成魚まで、下あごの長い個体は確認されず、一生を通して下あごが伸びない種だと分かった。今後、近い種と比較し、生態や遺伝子などの違いを詳しく調べる。

 コモチサヨリは、メスが卵ではなく稚魚を産む「胎生魚」で、名前の由来にもなっている。コモチサヨリ科はすしネタとしても知られるサヨリやサンマなどと同じ「ダツ目」のグループで、世界に約60種いる。国内では先島諸島に生息するという。

 新種発見の研究成果は米国の学術雑誌「Copeia」に掲載される。