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「申請したら金もらえる」ツイッターで学生を勧誘か コロナ不正受給

2020年10月1日 10:36

 新型コロナウイルスの経済対策で創設された「持続化給付金」を巡る県内の複数の大学生の不正受給で、会員制交流サイト(SNS)を通じて勧誘が拡散された可能性があることが30日までに学生らの話で分かった。複数の大学の複数の学生が取材に対し、ツイッターで誘われたり、給付金の申請を呼び掛ける投稿を見掛けたりしたと話した。不正受給の手数料を目的とする手口で、学生らがターゲットにされたとみられる。(豊島鉄博、仲村時宇ラ)

県内私立大がポータルサイトに掲載した県ホームページの画面

■他校の先輩から

 不正受給をしていた学生と同じ私立大学に通う男子学生(21)は9月下旬、ツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で、中高時代の部活で知り合った他校の先輩から「持続化受けないか」との誘いを受けた。親から不正受給問題の話を聞いていたことからすぐに断ったという。「めったに連絡は来ないので、すぐに怪しいと思った」と語った。

 他の男子学生(21)も、中学時代の同級生からツイッターで8月に勧誘された。「持続化給付金あるけど、お前やる?」などと誘われたが、「危ない」と感じて断った。

 不正受給をした別の学生が通う大学の複数の学生によると、給付金の申請を呼び掛ける投稿がツイッターで拡散されていたという。男子大学院生(22)は「『申請したらお金がもらえる』との内容のツイートを友人がリツイートしていた」と振り返った。

■大学が注意喚起

 不正受給をした学生が通う私立大学は、全国的に不正受給が相次いでいるとの報道を受け、9月3日から大学のポータルサイト内にある電子掲示板で、全学生に向けて持続化給付金の不正受給に関する注意喚起の投稿をした。30日現在、学生から給付金に関連した相談や問い合わせはなく、学内での調査を実施するかどうか検討している。

 不正受給に関与した別の学生が通う大学も報道を受け、30日に各学部に対し、学生に注意を喚起するよう通知。学生から教員などに相談があれば大学本部に報告するよう求めている。

経験の浅い若者を標的に

■折井真人弁護士の話

 おそらく不正受給をしてしまった学生たちは「ばれないだろう」と安易な考えでやってしまったのだろう。犯行を首謀したグループの罪は問われるのは当然だが、誘いに乗ってしまう側の倫理観も学生に限らず問わざるを得ない。

 3年ほど前の、大学生らに現金供与の報酬をちらつかせ、本人名義を借りて消費者金融で借金をさせる「名義貸し」問題でも、大学生ら20代の若者がターゲットになった。学生は社会的に立場を失うリスクが低く、社会的経験も浅いため「甘い話」に乗せられやすい傾向はある。社会的リスクの考えが甘ければ、行動も軽率になりやすい。

 学生たちはSNSを使いこなし仲間意識も強い。「名義貸し」問題でも勧誘が仲間内で広がった。「友人だから大丈夫」という同胞感覚が善悪の判断を鈍らせたのかもしれない。

 また、今回は新型コロナウイルスでアルバイトがなくなり、金銭面で困窮しているところに犯行グループが付け込んだ、という側面もあるだろう。

 詐欺事案に巻き込まれないためには基本的な倫理観を持つこと。そのために大学側も消費者教育や、自由な行為に伴う責任とリスクについて踏み込んだ教えをしていくべきだろう。

<情報を募ります>

沖縄タイムスは新型コロナウイルスに関する持続化給付金など、公的支援制度の不正受給問題の取材を進めています。不正受給に関する情報を広く募ります。

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