スピン経済の歩き方

[窪田順生ITmedia]

 「誠に申し訳ございません! これからはすべてをお客さまのために捧げますので、どうぞご勘弁を!」なんて感じで平謝りする「お詫び隊」が、みなさんのお宅にもやって来るかもしれない。

 10月5日から全国およそ2万4000の郵便局で一斉に「かんぽ生命」契約者の自宅などを局員が訪ねて直接、謝罪や説明するという「おわび活動」がスタートしたのだ。

 宅配業者でさえ「置き配」をするこのご時世、嫌がる高齢者もいるであろう「自宅訪問」をなぜ強行するのかというと、昨年7月に明らかになった、高齢者をカモにした「かんぽ生命」の不正販売によって失墜した信頼を取り戻したいからだという。

そんな前のめりの謝罪活動は「自宅訪問」だけにとどまらない。10月5日、日本郵政公式Webサイトには「お客さまの信頼回復に向けた約束」を公表。新聞には日本郵政グループ4社の社長連名で「すべてを、お客さまのために」という全面広告も掲載され、そこにはこんな「決意」も載っている。

 「私たち日本郵政グループは原点に立ち戻り、みなさまの生活全体を支える存在であり続けます」

「お客さまの信頼回復に向けた約束」を公表(出典:日本郵政公社

 またNHKによれば、全国各地の郵便局の窓口で、一連の不祥事を謝罪するチラシが利用客に配られているという。まさに、日本郵政グループにとって「謝罪の秋」が始まった感じなのだ。

 という話を聞くと、「いいことじゃないか、初心に戻ってゼロから出直せ!」と郵便局の皆さんにエールを送りたくなる方も多いだろう。ただ、そういうポジティブなムードに水を刺して恐縮だが、筆者はこの「謝罪キャンペーン」に危うさしか感じられない。