国内で治療法が確立していない希少な悪性腫瘍(がん)と診断され、闘病中の小学4年、金城楓(ふう)空(あ)さん(10)=沖縄県中城村=を支援する団体「ふうあの会」が9月発足し、今後の治療に見込まれる費用2千万円の募金協力を呼び掛けている。楓空さんは、3月から抗がん剤投与治療を8回受けたものの目立った効果がみられず、10月22日に東京都内の病院で保険適用外の治療法に臨む予定という。

闘病中の金城楓空さん。人を笑わせるのが大好きという=7日、本島中部(「ふうあの会」提供)

ふうあの会寄付口座

闘病中の金城楓空さん。人を笑わせるのが大好きという=7日、本島中部(「ふうあの会」提供) ふうあの会寄付口座

 楓空さんの病気は、おなかの内側を覆う中皮細胞が悪性腫瘍になる腹膜悪性中皮腫。腹水によるおなかの張りや食欲減退で昨年8月に琉球大学病院を受診したが、県内に対応できる医療機関はなく、同10月に国立国際医療研究センター(東京)に入院。検査を経て同12月に診断を受けた。

 楓空さんは抗がん剤治療の影響で免疫力が低下し、新型コロナウイルス感染予防で小学校4年に進級してから大好きな学校に通えていない。母美香さん(49)がつきっきりで看病しているという。

 将来の夢は保護犬のシェルターをつくること。父均さん(59)は「周囲を笑わせるのが好きな娘が、抗がん剤の副作用で苦しむ姿を見るのは正直つらい。それでも本人はつらいと言うこともなく前向きに頑張っている。諦めるもんか、何が何でも治したい、というのが家族の思いです」と話す。

 センターの説明によると、腹膜悪性中皮腫はまれながん。小児の症例は数例で、5年後の生存率は50%とされる。有効性が認められ、保険適用となった治療法は国内にないという。

 楓空さんが22日にセンターで受ける治療も保険適用外。腫瘍を切り取る減量切除と、切除しきれなかった残存病変を死滅させる腹(ふく)腔(くう)内への抗がん剤投与は全て自己負担となり、最大500万円程度かかる。

 この治療後も、合併症や保険適用外の再手術で高額の費用がかかる可能性が高いが、希少な症例のため費用の見通しは困難で、募金目標を計2千万円とした。5年以内に再発が確認されなければ、余剰金は同じがんにかかった子どもたちなどに寄付する。

 中皮腫はアスベストによる場合に国の補償を受け取れるが、楓空さんのように発症年齢が低く、他の原因があるとみなされている場合は対象外となる。

 募金は現時点で銀行口座の振り込みで受け付けている。問い合わせは「ふうあの会」事務局、電話080(3954)3615。