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沖縄県の観光補助金、支給遅れ 旅行社が立て替え「死活問題だ」

2020年10月14日 07:46

 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業界を支援する県の「彩発見キャンペーン」(第1弾)事業で、県民の旅行を促すため、旅行社が立て替えた料金分の補助金が支払われていないことが13日、分かった。支払いには宿泊・旅行証明書類の確認が必要で、旅行社の提出書類に不備もあることから、時間がかかっている。(政経部・川野百合子)

彩発見キャンペーン第1弾の補助の仕組み

 旅行料金の一部を県が補助する仕組みだが、その分を旅行社が負担している状態で、運転資金が確保できず借り入れでしのぐ企業も出ている。旅行社からは「支援事業のはずが本末転倒。経営が立ち行かない」と早期の支払いを求める訴えが相次いでいる。

 第1弾は、6月5日から7月末まで実施。5億円を予算化し、販売額としては予算の97%が執行され、約5万5千泊の利用があった。商品を作って販売する事業者として県内の52旅行社が参加。10月13日時点で、補助金分が全額支払われている旅行社はない。

 県観光政策課によると、補助金の支払いは当初9月末を予定していたという。ただ、書類の不備や誤記などの修正、再提出を求めるやりとりなどに時間がかかっている。県は、旅行社の声に対応するため、9月末に補助金の40%分を概算分として各社に支払った。事務局を務める沖縄観光コンベンションビューローとともに証明書など書類の確認を急いでいる。全国旅行業協会(ANTA)の19社について、今月末にも額の確定通知を出す方向で準備を進めているという。

 ただ、特に中小旅行社にとっては経営を圧迫する「死活問題」。支払期限を示してほしいとの声がある。

 南部の中規模の旅行社は、事業で2200万円分を売り上げ、補助金分として1100万円を負担。40%分は支払われたが、まだ700万円近く負担している。同社にとって2カ月半分の運転資金に相当する。代表は「国などの借り入れでしのいでいるが、経営はかなり厳しい。10人以下の中小零細が多く、支払う頃には、廃業せざるを得ない社も出てくるのではないか」と懸念する。

 別の旅行社の代表も、販売額の大きさが補助金の立て替え分にも比例するため「売れば売るほど、自分たちの首を絞めることになる」と指摘。「第3弾の話もあり、支援や事業は大変ありがたいが、同様の制度設計では参加見送りもあり得る。県にはせめて進展状況などを共有してほしい」と要望した。

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