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沖縄に駐留した元軍人、枯れ葉剤に触れ発病 60~70年代 持ち込みないと米政府主張

2020年10月15日 08:08

 【ジョン・ミッチェル特約通信員】米退役軍人省が、沖縄で枯れ葉剤に触れたことにより発病した元軍人少なくとも15人に補償金を支給していることが分かった。米国防総省は沖縄に枯れ葉剤が持ち込まれたことはないとしているが、こうした対応と矛盾する国防総省の主張はあらためて説明が求められそうだ。

1960年代に嘉手納基地で枯れ葉剤にさらされた元軍人の証言記録。米退役軍人省は前立腺がんのこの元軍人に補償金を支払っている(同省作成)

 本紙が入手した公式記録によると、補償金は1960~70年代に空軍嘉手納基地、那覇港湾施設やキャンプ・シュワブなどの施設に駐留していた元軍人に支払われている。

 これら元軍人の証言によると、枯れ葉剤は基地内で保管され、フェンスや滑走路周辺で散布されていた。また枯れ葉剤で汚染された装備品がベトナムから回収されてもいたという。こうして沖縄で枯れ葉剤に触れた結果、元軍人らはがんや白血病、心臓病や糖尿病を発症した。

 これら15人の元軍人に補償を行うとの退役軍人省の決定は、国防総省による沖縄への枯れ葉剤持ち込みの否定に反する内容だ。米国政府はこれまで、日本政府への公式な声明文中も含めて、沖縄で枯れ葉剤の保管や使用がなされた記録はなく、枯れ葉剤を積んだ船が寄港したこともないと繰り返し主張してきた。

 近年、退役軍人省は沖縄で枯れ葉剤に触れた元軍人への補償決定を加速させている。2013年より前、同省は2人の申請しか認めていなかったが、同年以降これまでに13人の補償申請が認められた。

 この急増ぶりには二つの要因がある。一つは13年、沖縄市の返還された嘉手納基地用地の地下で枯れ葉剤成分を含むドラム缶108本が見つかったこと、もう一つは18年、米政府監査院(GAO)が枯れ葉剤の保管場所について調べた報告書の中で、枯れ葉剤を輸送中の船が少なくとも2隻、1969年と70年に沖縄や日本に寄港していたと明らかにしたことだ。

 退役軍人省の記録によると、沖縄で枯れ葉剤にさらされた結果、発病したと考える元軍人はほかに少なくとも250人いる。だが、米政府は記録が存在しないことを理由にこれらの主張を否定するか、請求の是非を検討中として保留している。

 ベトナムで62~75年の間に軍務についた元軍人は枯れ葉剤に触れたと見なされ、特定の疾患を発病した場合は自動的に米政府の補助対象となる。また米国防総省はタイと朝鮮半島の非武装地帯でも枯れ葉剤を散布したことを認めている。

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