沖縄県内の児童相談所の児童虐待対応件数(速報値)が2019年度に1607件となり、2年連続で過去最多を更新したことが15日分かった。前年度より507件増え1・46倍となった。児童の目の前で家族が暴力を振るわれる「面前DV(ドメスティック・バイオレンス)」など、心理的虐待に関する対応が増えたことが主な要因という。
県議会の文教厚生委員会(末松文信委員長)で同日、県青少年子ども家庭課の真鳥裕茂課長が明らかにした。石原朝子氏(沖縄・自民)への答弁。
1607件のうち、最多は「心理的虐待」で1102件と約7割を占めた。次いで「身体的虐待」284件、「ネグレクト」201件、「性的虐待」20件。
前年度(1100件)に比べて増えた507件のうち368件が心理的虐待で、全体数を押し上げた。
同課は、件数の伸びについて「児童虐待がクローズアップされたことで虐待に対する意識や認知が高まり、通報が増えたのではないか」とみている。
8月から始めた無料通信アプリのラインを活用した県事業などを通して、子どもたちが相談しやすい環境づくりに取り組み、児童虐待の未然防止・早期対応に力を入れる方針という。