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「ありがとう」コロナで苦渋の閉店へ 首里儀保町で69年、老舗ストアーが伝えたいこと

2020年10月20日 11:01

 【那覇】首里儀保町に店を構え69年の「ストアーやましろ」が30日を最後に閉店する。総菜、日用品、食料品などを扱い、長く地域の暮らしを支えてきた。新型コロナウイルス感染拡大を受けた売り上げの減少などが影響した。店を始めた山城貞子さん(92)は昨年から福祉施設に入所し、今は息子の元さん(66)と妻光子さん(65)、孫の元希さん(42)が切り盛りする。3人は「地域のお客さまに心から感謝したい」と最後の日まで笑顔で店に立つ。(社会部・勝浦大輔)

1960年代の山城商店(提供)

山城貞子さん(提供)

「地域の皆さんに感謝したい」と話すストアーやましろの(左から)山城元希さん、光子さん、元さん=13日、那覇市首里儀保町

1960年代の山城商店(提供) 山城貞子さん(提供) 「地域の皆さんに感謝したい」と話すストアーやましろの(左から)山城元希さん、光子さん、元さん=13日、那覇市首里儀保町

 1951年、貞子さんが儀保十字路の角に「山城商店」を開いたのが店の始まり。天ぷらや総菜を売って徐々に店を大きくし、おもちゃや薬も扱うようになった。道路拡張のため71年、沖縄都市モノレール儀保駅近くの現在の場所に移った。

 光子さんによると、貞子さんは根っからの商売人だという。「お客さまに足を踏まれても『ありがとう』と言いなさい」が貞子さんの口癖。「眠らなくていい。ずっとお店にいたい」と言うほど、店が大好きだった。85歳までは店に立ち、施設に入るまで、常に店の中で腰掛けていた。

 これまで順調だった運営も新型コロナ感染拡大の影響で周辺の塾、学校が休みになり学生客が減った。4月から売り上げが落ち、半減以上の月もあったという。「地域の方には申し訳ない」と苦渋の「一大決心」で店を終えることを決めた。常連の女性(67)は「毎日おしゃべりできて楽しい所だった。とても寂しい」と残念がった。

 貞子さんが店に座らなくなり心配する声も多いようで、光子さんは「貞子は元気いっぱいだということと、何より、これまでの『ありがとう』を地域の皆さんに伝えたい」と感謝した。同店の開店時間は平日午前9時~午後10時。30日まで営業している。

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