「墓地売ります」「墓地ただいま分譲中」-。そう掲げるパン屋が沖縄県の宜野湾市佐真下にある。墓地の地面は、チョコレートたっぷりのパイ生地。十字架が四つ立つ。「茶のま乃ぱん処」がハロウィーンに合わせ、期間限定で販売している。墓地の周りでポーズを決めているのは、腹ばいになったパンダ、骨をくわえた犬、ハート形の目のウサギなど。常時15種類ほどの「キャラパン」が、客の視線を集めている。(中部報道部・平島夏実)

期間限定の「墓地パン」

商品の半数を「キャラパン」が占める「茶のま乃ぱん処」とオーナーの町田雅さん=14日、宜野湾市佐真下

期間限定の「墓地パン」 商品の半数を「キャラパン」が占める「茶のま乃ぱん処」とオーナーの町田雅さん=14日、宜野湾市佐真下

 オーナーの町田雅(ただし)さん(34)の「墓地パン」は、ことしで3年目。1個当たりの「敷地面積」は去年の2倍の大きさに広げた。「墓地売ります」などの札ごと買っていく客もいて、町田さんは「そのたびに新しい札を書いてます」と話す。

 キャラパンは、開店6周年を迎えた7月、定番商品だけでなく新しい挑戦をしようと始めた。動物シリーズが笑顔を振りまく一方、チョコレートを全身にかぶった「たたり神」もいて、ジャンルを問わない。パン生地の大小の塊を見て、ひらめくままに作る。

 店は日頃から、和風な外観をそば屋と勘違いして入店するお年寄りが絶えないが、品ぞろえをみて笑ってくれるという。お客には、かわいいもの好きの親子連れはもちろん「奥さんに頼まれたので…」と話す中年男性も。町田さんは「もしかしたら頼まれたわけじゃなくて照れ隠しなのかも」と想像しつつ、手応えを感じている。

 町田さんは大阪の専門学校でパン作りを学び、県内で修業後に独立した。使う卵は、うるま市特産の黄金芋で育ったブランド卵「くがにたまご」。塩は石垣産。素材へのこだわりも忘れない。

 「専門学校の恩師が墓地パンやキャラパンを見たら『手間かかるやろー』と突っ込むはず」と考えるが、やめるつもりはない。目標は、1日1個の新商品。明日の分がなかなか頭に浮かばない中、「えとシリーズをやろうかな」と一気に12日分のアイデアをひねり出した。

 営業時間は午前10時から午後7時。日・月曜定休で不定休あり。問い合わせは電話、098(898)0883。