社説

社説[先島でコロナ感染増]緊張感もち対策徹底を

2020年10月22日 07:08

 宮古島と石垣島で新型コロナウイルスの感染が広がっている。10月以降に感染確認された人の累計は、宮古で30人、石垣で37人。県は16日付で、病床確保計画に基づく医療フェーズを最も高い「5」に引き上げた。もともと医療提供体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島であり、感染拡大が続けば、危機的な状況に陥りかねない。

 両地域には、厚生労働省クラスター対策班の専門家が派遣され、日々の感染者情報を分析しつつ、感染防止対策をサポートしている。詳細な分析を基に、医療崩壊を招かないよう適切な対策を求めたい。

 県によると、石垣の37人全員は、クラスター(感染者集団)が発生した療養型医療施設と接点がある。県立八重山病院で新型コロナ患者用として用意された病床数は21床で、入院者数(21日時点)は20人に迫る。病床は調整次第でさらなる拡充もでき、軽症者向けの宿泊療養施設を利用する患者もいる。感染者全員が入院するわけではないものの、綱渡りの医療体制が続いている。

 一方、宮古では院内感染のようなクラスターは発生しておらず、散発的な市中感染とみられる。宮古病院の病床数40人に対し、入院者数は14人。ただ、地元の医療関係者は「1日5人以上のペースで増えると、1週間後に宮古病院と療養ホテルが満床になる」と予測する。

 感染増加が続けば、重症患者の本島への搬送も県は視野に入れている。緊張感を持った感染防止対策が不可欠だ。

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 県の警戒レベルを判断する七つの指標のうち「病床占有率」と「直近1週間の新規感染者数」の二つが21日、最も高い「第4段階」に上がった。9月7日以来、約1カ月半ぶりのことだ。「療養者数」もあと11人増えれば第4段階になる。

 感染状況をみると、増加傾向にある先島諸島に限らず、県内で満遍なく感染者が出ている。

 1日当たり20人前後の新規感染が確認される傾向が続いてきたが、ここに来て、30人超の日も出てきた。累計感染者数も3千人を超えた。

 4回目の感染症注意報を出した県は、感染経路に関し、県外から持ち込まれた事例は見られないとし、県内での感染の可能性を指摘している。流行の状況を測る「感染経路が不明な感染者の割合」が50%に近づきつつある。水面下での市中感染拡大に十分な警戒が必要だ。

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 県内で最初に感染が広がった3~4月の「第1波」や、1日100人超の感染者が出た7~8月の「第2波」と比べ、感染防止対策への意識はやや緩んではいまいか。これから冬場に向かい、インフルエンザと新型コロナの同時流行も懸念されている。

 いま一度、対策の基本を徹底したい。外出時のマスク着用と、こまめな手洗い・うがい。会食・会合は少人数で、感染対策に配慮した店舗を利用する。感染防止と経済活動の両立を図るという新たな生活様式の中、一人ひとりの心掛けが私たちの暮らしを守ることにつながる。

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