不登校の小中学生が増え続けている。

 県内では2019年度、不登校の小学生が1262人、中学校では2144人となり過去最多だった。小中合計の千人当たり人数は22・7人で全国平均を3・9ポイント上回っている。

 県教育委員会と文部科学省が公表した19年度児童生徒の問題行動・不登校調査で明らかになった。

 不登校の増加は全国的な傾向だ。全国では小中学生の不登校は計18万1272人。7年連続で増加した。

 17年に施行された「教育機会確保法」は、不登校の児童・生徒には状況に応じて休養が必要だとしており「無理に登校する必要はない」との考え方が浸透したのも増加の一因とみられる。

 同法は、国や自治体に児童・生徒の状況を継続的に把握し支援を求めている。県内でも教育委員会の適応指導教室や民間のフリースクールなどが学びの場となっている。福祉機関とも連携しているという。ただ、これだけ人数が増えると一人一人に支援が確実に届いているか気掛かりだ。

 不登校の要因は複合的だとされるが、家庭環境の問題も小さくないといわれている。背景にあるのは全国の約2倍に及ぶ子どもの貧困率の高さだ。

 親が困窮して子どもと十分に関わる余裕がなく、生活の乱れなどを見逃しているうちに子どもが学習につまずき、次第に学校に通えなくなる事例などが考えられる。

 不登校の子どもたち一人一人の家庭状況や抱える課題を丁寧に分析することが支援には欠かせない。

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 高校生の状況も心配だ。県内の高校生の不登校は1224人で千人当たりの人数は全国で最多だった。

 中退率は全国で最も高い2・3%で全国平均1・3%を大きく上回った。中退の理由は「進路変更」が半数を超え最も多いが、「経済的理由」の割合が全国で突出して高い。高校をやめずにすむ方法はなかったのだろうか。

 不登校の子どもらを支援するNPO法人の代表は支援の中で見えてきた「三つの貧困」として経済的な貧困、子どもへの教育が行われにくい家庭環境による文化的貧困、必要な支援を受けられず孤立する社会的貧困-を挙げる。

 不登校などの課題から引きこもりやニートにつながることもあり、将来に影響を及ぼす恐れがある。一方、早めにケアすれば人材の育成にもなる。支援は社会の責務だと認識すべきだ。

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 学校現場は学力向上を重視しすぎて余裕がなく、子どもとじっくり向き合う時間が取れていない、と教育関係者は指摘する。

 特にコロナ禍の今年は長期の休校で生じた学習の遅れを取り戻そうと早いペースで授業が進んでおり、影響が懸念される。

 子どもたちが置き去りにされ学習への意欲をなくすことのないよう学校には十分な目配りを求めたい。悩みを抱える親も含めてスクールソーシャルワーカーが支援できる仕組みも大切だ。