社説

社説[自民県議集団感染] 危機管理の甘さ浮かぶ

2020年10月25日 08:08

 「沖縄・自民」会派に所属する県議11人が新型コロナウイルスに感染した。いずれも18日から4日間、宮古、八重山地域を視察しており、クラスター(感染者集団)と認定された。

 誰でも感染する可能性があるのがウイルスの怖さで、感染したことを非難すべきではない。議員が地方を訪ねるのは重要な政務活動であり、それ自体、責められる必要もない。

 ただ、県全体で新規感染者数が「高止まり」し、特に宮古と八重山で感染が拡大する中、この時期に、会派19人のうち18人が参加する視察が適切だったかは疑問なしとしない。

 指摘されるのは、居酒屋などで開かれた連夜の懇親会である。地元議員らを交えて20人を超える規模で、2次会に流れた人もいたという。

 両地域は病床確保計画に基づく医療フェーズが最も高い「5」に引き上げられたばかりだった。病床逼迫(ひっぱく)の懸念が高まっていたのだ。県が出した感染注意報には「会食・会合は少人数で」「特に離島の医療体制は脆弱(ぜいじゃく)で、感染防止の意識を強く持って行動して」との呼び掛けがある。

 感染拡大防止を図りながら県経済をどう立て直していくか、今まさに議会に課せられた最重要の課題である。   その住民利益を行政に反映させる役割を担う議員たちの視察先での振る舞いは、緊張感を欠いていたと言わざるを得ない。

 自民会派にはクラスターにつながった視察の経緯や行動をきちんと説明してもらいたい。

■    ■

 県議会議員の4分の1に近い11人がコロナに感染したというのは、危機管理の点からも極めて深刻な事態である。

 22日の決算特別委員会は自民会派の県議が欠席、23日の同委員会は予定していた総括質疑が取りやめとなった。 

 感染した議員にはまずは治療に専念してもらいたいが、今後の課題として議会のオンライン化など非常時の審議のあり方も検討すべきである。

 新型コロナへの対応をきっかけに、委員会をオンラインで運営する仕組みづくりが各地の議会で進んでいる。地震や台風といった災害対策の面からも重要な取り組みで、既に大阪府や熊本県などで条例改正が行われている。

 本会議のオンライン化は認められていないものの、全国都道府県議会議長会は、実現を求めていくことを決議している。

 住民に身近な意思決定機関である県議会の緊急時対応について早急に話し合う必要がある。

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 県内では23、24日と連続して新規感染者が40人を超えるなど状況は予断を許さない。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数も全国最多が続く。 

 これから年末に向けて、忘年会など飲酒を伴う懇親会が増える時期である。

 流行の「第3波」を生まないためにも、いま一度、マスクの着用や3密の回避、大人数の会食は控えるなど基本の対策を確認したい。

 一人一人の行動が大切だ。

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