新型コロナ沖縄の今

沖縄の平和ガイド、コロナで存続の危機・・・ 修学旅行減で収入ゼロ 受け入れ5万人のはずが34人

2020年10月25日 09:24

[新型コロナ 沖縄の今]

新型コロナウイルスの影響で受け入れ数ゼロが並ぶ資料を前に「県観光ボランティアガイド友の会」存続の危機を語る高嶺典子事務局長=14日、豊見城市内の事務所

 修学旅行生らの平和学習を担う「県観光ボランティアガイド友の会」が存続の危機に立たされている。年間16万人余り受け入れる県内最大の平和ガイド団体だが、本年度は新型コロナウイルスの影響で軒並み中止や延期となり、9月までの受け入れは3校34人。当初見込んだ収入は「ゼロ」となり、昨年度の繰越金を切り崩しての運営が続いている。(社会部・新垣玲央)

 同会が担う平和ガイドは修学旅行全体の約4割で、昨年4~9月は461校5万7千人余りを受け入れ、延べ1275人のガイドを派遣した。一方、今年は3月からキャンセルや延期が相次ぎ、今月15日が学生を案内した「活動初日」。受け入れた3校は全て教諭らの下見だった。

 任意団体で補助金はなく、事務所の運営や人件費は受け入れる団体から得られる協力金の一部だけが頼り。本年度は9月までに見込んだ収入約300万円が入らず、人員削減と昨年度の繰越金でぎりぎりの運営を続ける。「来年3月までしかもたない」(高嶺典子事務局長)という。

 県によると、昨年の修学旅行では40万9千人余が来県したが、今年は新型コロナの影響で4月から9月の実施校はゼロ。下半期は1270校、約24万7千人の修学旅行が予定されるが、県内外の感染状況次第で中止となる可能性もある。

 平和ガイドは他の団体を含めて今月まで休止状態。高嶺事務局長は「これまで経験したことがない状況。存続問題もあるが、学生にとっては沖縄戦を学び、沖縄の今を理解するチャンス。失われるのは残念でならない」と肩を落とす。

 延期された修学旅行の予約は来年1月以降に集中し始めたが、新型コロナ終息の見通しは立たず、実施できるかも不透明。中止や日程変更が続けば、平和学習の場がより感染リスクの低い所へ流れる懸念もある。

 会では独自の「3密対策指針」を作成。壕の案内は人数を半分にして滞在時間を短くするなどリスク回避の体制を整えた。オンラインの「リモート講話」を含め、沖縄での平和学習が途切れないよう模索する。

 高嶺事務局長は「今の沖縄が抱える課題は戦争に起因する。画面越しでも伝われば、実際に来て学ぼうという生徒も出るはず。できることから、少しでも可能性を広げたい」と話した。

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