宮古島市と多良間村が沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)事業を活用し、「アパート牛舎」の建設に取り組んでいる。県内初の取り組み。畜産農家の高齢化などで飼養戸数が減少する離島に賃貸式の牛舎を整備することで、新たな担い手の初期投資を軽減する狙い。宮古島市では計50頭を収容できる牛舎6部屋が完成しており、11月下旬から牛が「入居」できる予定だ。(政経部・又吉朝香)

完成したアパート牛舎の内部=宮古島市(提供)

 総事業費は宮古島市が約1億円、多良間村は約1億2千万円。県と国が9割を補助している。牛舎の管理者は市と村が担う。

 兵庫県や宮崎県、鹿児島県も補助事業でアパート牛舎を建設している。

 2019年の宮古島市の肉用牛飼養戸数は、14年から5年間で26%(240戸)減の685戸。多良間村は9%(8戸)減の80戸。戸数減が顕著な離島に、新規就農しやすい支援が必要との声があり、事業化した。

 子牛用や母牛用の部屋、分娩(ぶんべん)房もあり、繁殖から出荷までできる設計。堆肥舎やタンク、飼料庫なども併設している。

 宮古島市畜産課によると4件の応募があり、すでに3分の1程度の入居が決まったという。家賃は10頭当たり月1万2千円。引き続き入居を募集している。

 市の事業参加要件は(1)飼養頭数(母牛)が地域平均以下、または新規就農者(2)畜産農家で増頭計画がある(3)頭数に応じた規模の採草地などを所有しているか確保が見込める-などがある。

 多良間村では10月から着工しており、21年度内に供用開始予定。4戸50頭が入居できる設計になっている。

 県畜産課の安里直和主任技師は「牛舎を建てるには規模や資材によるが、数百万円~千万円の膨大な費用がかかる。興味はあるけど初期投資が厳しい方にぜひ活用してほしい」と呼び掛けた。