社説

社説[鶴保氏放言]沖縄担当相の資質疑う

2016年10月8日 09:00

 鶴保庸介沖縄担当相が6日、東京都内で開かれた県出身自民党衆院議員の政治資金パーティーで、こうあいさつした。

 「沖縄の自民党の国会議員の先生方には、来るべき選挙に勝利してもらわなければならない。その使命を皆さんに理解いただきたい。振興策とリンクしている」

 就任会見で基地と振興策はリンクすると言って物議をかもしたばかりだというのに、今度は選挙と振興策のリンク論を持ち出したのである。

 とんでもない発言だ。 

 目の前にニンジンをぶら下げて選挙応援を促すというのは下品極まりなく、振興費をポケットマネーのように扱うのも担当大臣としての適性を欠く。

 県内では発言への反発と不快感が広がっている。

 鶴保氏は7日、発言の真意を問われ、「いかに県民の支持が得られる振興策を作り上げていくかは、本人の努力にかかっているという意味のエールを送ったつもりだ」と釈明した。

 自民党国会議員として同僚の応援をしただけと言いたかったのだろう。しかしこう問題発言が繰り返されると、額面通りに受け取ることはできない。

 言葉の軽さ以上に強く感じるのは、沖縄の人たちを見下すような意識が見え隠れすることだ。謝罪どころか誤解した側に問題があるといわんばかりの対応にも、県民の立場に立って考えるという配慮が見られない。

■    ■

 鶴保氏は8月、沖縄担当相就任の会見で「消化できないものを無理やりお口を開けて食べてくださいよでは、全国民の血税を無駄遣いしているという批判に耐えられない」と述べた。予算消化できない場合の減額をにおわせたのだ。

 「無理やりお口を開けて…」という表現は、県民を侮蔑した例えである。

 敵対感情や対立意識をむき出しにして県と対峙(たいじ)するのは、担当相の本来業務をないがしろにし、自ら県民分断策に手を貸すようなものだ。ここから県民との信頼関係は生まれない。

 不見識な発言は、辺野古違法確認訴訟の高裁判決直前にもあった。「注文はたった一つ、早く片付けてほしいということに尽きる」

 はずみでポロリと出たのではなく、新基地建設を急ぐ安倍内閣の姿勢を反映した言葉だったのだろう。繰り返される失言、放言は一強といわれる安倍政権の「おごり」や「慢心」とも関係している。

■    ■

 今回、あえてプライベートな問題には触れないが、これら発言だけをとっても担当相としての資質が疑われる。

 沖縄振興は、沖縄振興特別措置法と沖縄21世紀ビジョン基本計画に基づいて進められており、その基本的な考えと方向性については、県政与野党とも大きな隔たりはない。

 そのことを前提に、担当相は翁長雄志知事とも連携し、沖縄振興の仕事に専念すべきである。

 鶴保氏には、沖縄振興の旗を振るにふさわしい品性と慎重な言動を求める。

 
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