「子どもの虐待防止策イベントin沖縄2020」(主催・パワチルうちなー)が1日、那覇市の男女共同参画センター「てぃるる」であった。県内の高校生が虐待された経験を初めて人前で語り「子どもを虐待させないため、あらがい続ける」と話した。

登壇者が虐待された経験を語った虐待防止策イベントin沖縄2020=1日、那覇市・県男女共同参画センターてぃるる

 県内の高校3年生の女性(18)は、父親による暴力が原因で統合失調症を発症、幻覚や幻聴、摂食障害に苦しんだ体験を語った。

 父親が投げた包丁が腕に刺さり大けがをしたこともあるという女性。今年亡くなった父親について「体をボロボロにしてまで酒を飲み暴力を振るう理由を考えた」と振り返った。「子どもも大人も一人では生きられない。虐待のない社会になるよう高校生としてあらがい続ける」と話した。

 子どもの虐待に関する著作があるフリーライターの今一生さん(55)が現状を解説した。

 今さんによると、虐待相談件数は1990年から2018年まで全国で約160倍に増えたという。予算を付けて相談窓口を増やす一方で、「親に子どもを虐待させない仕組みを作ってこなかった」と指摘した。

 虐待防止に向けては当事者の声をよく聞くことが重要として、「子どもが親権者を選べる『親権フリー』や『親権シェア』」を提案。「父母二人に子育ての責任を負わせる親権制度には限界がある」と指摘した。

 参加した北谷町の男性は、虐待を受けた子などを育てる専門里親をしている。「現場で苦労している児相や里親を一律に切り捨てているようだ」と困惑。「新しい制度も必要かもしれないが、20歳に比べて難しい18歳、19歳の養子縁組をしやすくするなど、まずは現状の制度の穴埋めが必要だと思う」と話した。