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第2波の最中もコロナ議事録なし 作る方針決めたのに 沖縄県の対策会議

2020年11月2日 07:25

 沖縄県が、新型コロナウイルス感染症の政策を協議・決定する対策本部会議(本部長・玉城デニー知事)の議事録を、公文書管理の指針が整備された7月以降も作成していないことが1日、分かった。識者は「誰がどう発言したかを記す議事録がないと議論の経過が分からない。今後、外部の検証も行政の自己検証もできなくなる」と警鐘を鳴らす。(社会部・下地由実子)

(資料写真)沖縄県庁

 同会議を巡っては、県が議事録を作成していないとの6月の本紙報道後、玉城知事が県庁内の公文書作成のルール化を明言した。これを受けて、県は7月3日、知事や副知事が参加する会議に関して「議事概要の作成指針」を策定した。

 指針では知事、副知事が参加する会議で議事概要を作成し、議事録の作成や公表は所管部長が知事や副知事と調整して決定することを明文化した。議事概要は発言者を明記せず、主な発言をまとめた形式にとどまる。発言者を記した逐語的な議事録とは異なる。

 コロナ対策本部会議を所管する対策本部総括情報部の大城玲子保健医療部長は「指針に沿って概要を作成しホームページで公開している。誰の発言かより、議論の中身や方針が分かればいいと思う」と述べた。今後も「概要でまとめていく」として、議事録を作る考えはないとした。会議の音声記録は残している。

 同会議は非公開で、知事をはじめ各部長ら約20人が出席。第1回の3月27日から10月26日まで全58回開いている。7月以降は県内で「第2波」が始まり、米軍基地での大規模感染や、全国最悪に急拡大した感染状況に伴う対応を協議。県独自の緊急事態宣言の発令・解除、警戒レベル指標の引き上げ・引き下げなど、住民生活や社会経済活動を左右する決定をした。

 公文書管理に詳しい龍谷大学の瀬畑源准教授は「検証には誰がどう発言したか分かる記録が絶対に要る。県の指針は、議事録を作らない姿勢を正当化するために定めたようなもの。どういった記録の残し方がいいと決めるかは政治の問題で、知事のリーダーシップが問われる」と指摘した。

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