沖縄タイムス+プラス ニュース

痛風治療薬を新型コロナ抗炎症薬に 琉球大学主導で全国初の治験へ

2020年11月5日 17:41

 琉球大学は5日、新型コロナウイルス感染症患者の重症化を防ぐ薬を開発するための医師主導の治験を始めると発表した。来年1月から横浜市立大学などと共同で実施する。新型コロナに感染後に重症化しやすい軽症患者や、中等症患者に対する抗炎症薬として、痛風治療薬で知られる「コルヒチン」の効果を検証する。同様の治験は全国で初めて。

医師主導の治験開始について発表する琉球大学大学院医学研究科の金城武士助教(右)、植田真一郎教授(中央)ら=5日夕、西原町の琉球大学

 5日に琉球大学で記者会見した研究代表者で、琉球大学大学院医学研究科の金城武士助教は「安価で安全に、重症化を抑制する抗炎症治療が可能になることで、患者と医療現場の双方の負担軽減につながる」と成果に期待した。

 今回の治験は来年1月から5月までを予定。新型コロナに感染し、沖縄県内外の約10医療機関に入院する重症化しやすい軽症患者か、肺炎症状はあるが酸素投与は必要ない「中等症Ⅰ」の患者100人を対象に実施する。初日はコルヒチン1・5㍉㌘かプラセボ(偽薬)、翌日からコルヒチン0・5㍉㌘か偽薬を1日1回の4週間、飲み薬で投与して、血液中の炎症反応を比較する。

 新型コロナ治療は、主に抗ウイルス薬と抗炎症薬の2本柱で行われる。国内は現在「軽症」「肺炎症状はあるが酸素投与は必要ない中等症Ⅰ」の患者に対する治療薬で、厚生労働省の承認を受けたものはない。抗ウイルス薬では「アビガン」として知られるファビピラビルの承認が申請されているが、抗炎症薬はまだ薬剤もないのが現状という。今回の治験では「空白」となっている抗炎症薬の開発を目指し、重症化予防効果を検証する。

 金城助教らはコルヒチンの有用性として、低用量でも抗炎症作用を有し、長期投与の安全性が担保されていること、重篤な副作用は起こらないとされていることなどを挙げた。

 将来的には、公知申請による薬事承認を目指すという。

連載・コラム
アクセスランキング
ニュース 解説・コラム
24時間 1週間