日本銀行那覇支店は11日、11月の沖縄県内金融経済概況を発表した。県内景気は、政府の観光支援事業「Go To トラベル」に10月から東京都が追加されたことで「一部に回復の動きがみられる」として、4カ月ぶりに上方修正した。先行きは「引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けるとみられる」とし、感染封じ込めの状況を注視する必要があるとした。

県内主要金融経済指標

 個人消費や公共投資、設備投資などの判断は据え置いたが、観光は「一部に回復の動き」に引き上げた。Go To トラベル事業によりリゾートホテルの稼働率が伸びているとし、桑原康二支店長は「観光は前年並みには戻っていないが、トレンドは右肩上がりで先行きへの期待が高まっている」と述べた。

 一方で、北海道や東京都、大阪府で再び感染者数が増加しており、「コロナの第3波が懸念される」と指摘。那覇空港での水際対策が鍵を握るとして「感染予防対策に優先順位を付けて、スピード感のある対応が行政には求められる」とした。

 Go To トラベルについては「需要回復の即効薬となっているが、業者は割引に慣れてしまうと価格を戻せなくなる副作用を懸念している」と述べた。

 コロナは観光を量から質へと転換させる契機になるとして「沖縄が目指す観光地としての理念を定めた上で、ワーケーションやリゾテックといった戦術を考えないといけない」と強調。「従業員の所得向上やオーバーツーリズムといった構造的な問題と向き合い、1人当たりの消費額を上げる策を官民挙げて考えるべきだ」と訴えた。