新型コロナウイルスの影響で観光客が減少し、定番土産品「紅いもタルト」の売り上げが半減、菓子メーカーが例年の4~5倍の紅イモペーストの在庫を抱えている。御菓子御殿では200トンの在庫があり、一部の農家から紅イモを買い取れない状況が続いている。農家は「この状況が続くと出荷量は確実に減少していく」と不安を隠さない。関係者は消費拡大のための支援が必要だと訴えている。生産量が県内トップの読谷村は、企業に補助金を出す支援策を打ち出した。(政経部・又吉朝香)

200トンの紅イモペーストを保存している冷蔵庫の様子。御菓子御殿クリエーションの城間一朗さんは「これ以上在庫を抱えるのは厳しい」と肩を落とす=12日、読谷村字楚辺

紅イモタルトの需要減少で今後の取引を心配する紅イモ農家の山内武光さん=12日、読谷村

200トンの紅イモペーストを保存している冷蔵庫の様子。御菓子御殿クリエーションの城間一朗さんは「これ以上在庫を抱えるのは厳しい」と肩を落とす=12日、読谷村字楚辺 紅イモタルトの需要減少で今後の取引を心配する紅イモ農家の山内武光さん=12日、読谷村

■在庫抱える企業

 紅イモは7~11月が出荷時期。御菓子御殿は例年、この時期50トンほど在庫を確保し、通年の紅いもタルトの販売量を調整するが、現在は例年の4倍に上る200トンの在庫を抱えている。主力商品の紅いもタルトの7~10月の前年同期比の売り上げは52・5%減と半分以下に落ち込んだ。

 御菓子御殿クリエーションの池間司課長は「長年取引している生産農家からは全て買い取れるようにしているが、新規や定期的に出荷していない農家との取引は中止している」と事情を話した。

 御菓子御殿に長年出荷をしている読谷村の紅イモ農家、山内武光さんは「出荷ができず困っている小規模農家もいる。タルトが売れない中で、自分たちも出荷量が少なくなるのではという不安がある」と嘆いた。

■消費拡大へ支援

 ナンポーは前年比5倍の100トンの在庫を抱える。加工に使用する紅イモペーストは、4月以降は毎月4トン程度で全て出荷できるか、めどは立っていない。「べにいもたると」の売り上げは約6割減となった。具志堅全友専務は「伊江村とうるま市の契約農家と取引している。農家に配布する苗の量を減らして在庫を調整している」と話した。

 一方、読谷村では2020年度内に村内の農家から紅イモを買い取った企業に1キロ当たり50円を補助する事業を決定した。予算額は1千万円。

 また、イオン琉球では16日の「いもの日」に、2~3本入りの紅イモを通常価格の100円引きで販売する。その他にも紅イモを使った新商品を考案中という。

 御菓子御殿の久田友次郎営業本部長は「紅イモを生産している農家は読谷村以外にも多くいる。県全体の農家の収入のために消費拡大のために支援策が必要だ」と訴えた。

沖縄タイムス社が運営するクラウドファンディングサイト「リンクユー」では、御菓子御殿を含む県内5社の菓子メーカーが支援を呼びかけるプロジェクトを実施している。詳細はこのURLから確認できる。

https://a-port.asahi.com/okinawatimes/projects/098-953-3502/