沖縄県は16日、県環境整備課で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。県庁初のクラスターで県内27例目。同日、6人目の感染が判明した。同課の職員が6日に開いた会食の参加者5人目の感染確認で、参加して感染した中には同課の課長も含まれる。県がコロナ警報で県民に呼び掛けた「会食は5人未満で2時間以内」の注意事項が、県庁職員の間で守られていなかった。
■課長ら計6人感染
16日午前の環境整備課は大半の電気が消えて、出勤した職員は2人だけ。一般廃棄物班の担当エリアで電話対応に追われていた。この2人も急ぎで必要な業務を終えて午前で退庁したという。課長席は不在で、大半の席にも職員の姿がない異例の事態となった。
県環境部によると、6日の会食は同じ班の職員6人が那覇市内の飲食店で開いた。開催時間は「確認中」とするが、一部の職員は2次会に参加したといい、会食が長時間に及んだ可能性が高い。県は10月26日から発令している「沖縄コロナ警報」で「飲食は5人未満で2時間以内」と県民に注意を呼び掛けている。
環境整備課は廃棄物処理を担当しており、職員は22人。12日、13日に1人ずつ、15日に3人、16日1人の感染が判明した。非常勤を含む全員がPCR検査を受けることになり、15日までに8人が受検した。16日に7人、17日以降に残り7人が検査を受ける予定だ。
■「警報」守られず
松田了環境部長は会見で「大変重大に受け止めている。部内の課長以上の職員に、会食は警報に沿ってするよう周知した」と釈明した。県は同日の対策本部会議で全職員に注意することを決め、総務部長が「警報の徹底されていないケースが報告された。行政サービスの低下を招きかねない。誠に遺憾だ」とする通知を出した。
16日現在、保健所は同課の感染拡大が6日の会食に原因があったかどうかは断定していない。県の糸数公保健衛生統括監は「最初の感染の持ち込みははっきりしないが、同じ職場で感染が広がっている状況」と厳しい表情を浮かべた。
県環境政策課によると、環境整備課の業務は今後、他の課からの応援、リモートワーク、PCR検査で陰性になった職員が出勤する-などで対応するという。