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「申請しない人も多い?」 コロナ感染で県内初の労災認定3件

2020年11月17日 09:47

 業務中に新型コロナウイルスに感染し、県内で初めて労働者災害補償保険(労災保険)の支給が認められた件数が、3件だったことが16日、沖縄労働局労災補償課のまとめで分かった。7月ごろから11月10日現在で、申請件数は30件だった。医療従事者や、宿泊・飲食業などが含まれる。(政経部・玉城日向子)

(資料写真)空から見た沖縄

 一方で専門家は、県内の感染者数に対して、労災保険の申請件数が少ない理由について、「仕事を休んだ上に聞き取り調査などが入り、会社に負担をかけることを懸念し、申請しない人が多いのでは」と指摘する。同課は今後、感染者の増加に伴い労災保険の申請件数はさらに増加すると見込んでいる。

 同課はまだ支給が決定していない27件に関して、申請者本人への聞き取りや、保健所などと連携しながら業務上の感染であったか調査していると説明。迅速な支給が行えるよう増員などをして対応したいとした。

 厚生労働省は労災の認定で、医療・介護従事者は、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、給付の対象になるとしている。そのほかの職種でも、顧客との接触機会が多い業務で感染した可能性が高い場合には、感染経路が特定されなくても対象になる。

 県社会保険労務士会の理事を務める大城貴子社会保険労務士は、感染経路が不明な場合、調査に時間を要するとし、支給決定までに2、3カ月かかる可能性が高いと話す。「健康保険でも、治療費や休業で一定額の補償がある」とし、労災保険の申請をしない人がいる可能性を指摘した。

 また、感染リスクが高いとされるキャバクラなどの接待を伴う飲食店の従業員は、労働保険に加入していないことが多い。そのため、労災の対象にならないことも申請が少ない要因とみられると話した。

[ことば]

 労災保険 業務上や通勤が理由で労働者が、けがや病気などになった場合に必要な保険給付を行う制度。労災の認定がされると、治療費は全額補償され、自己負担がない。また、休業になった場合にも一定期間、賃金の8割が補償される。

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