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10月24日以降の主な米兵逮捕事案

 米軍人による事件が相次いでいる。沖縄県基地対策課によると10月24日から11月17日までの約3週間で強盗や傷害、器物損壊、酒気帯び運転などが少なくとも16件発生した。要因として基地外での飲酒の緩和やコロナ禍で米兵らへの講習が開催されていないこと、9~10月に沖縄に着任したばかりの新兵が多いことなどの指摘もある。地元からは「異常事態」との声が上がっている。(社会部・比嘉太一、中部報道部・仲村時宇ラ)

 県基地対策課によると10月24日以降の米兵による事件は酒気帯び、飲酒検知拒否、無免許運転の道交法違反9件、強盗1件、傷害が3件、器物損壊2件、公務執行妨害1件。

 そのうち9件は沖縄署管内で発生。ほとんどは飲酒状態で犯行に及んでいる。午前1~5時の基地外への外出を規制し、午前0~5時の飲酒を原則禁止する「リバティー制度」に違反した事案もあった。

 事件が相次ぐ背景として北谷町美浜で営業する50代のベースタクシー乗務員は「9月に入ってから在沖米軍・軍属の乗客が一気に増えた」と話す。毎年4~5月と9~10月に部隊のローテーションで沖縄に着任する新兵が多くいるという。

 米軍は9月、新型コロナの影響で禁止していた基地外での飲酒を一部緩和し、屋内ではないテラス席などでの飲食、飲酒を認めた。

 乗務員は「飲酒の規制緩和と重なって新天地で羽目を外している米兵たちがたくさんいる」と明かす。

 ローテーション時期の昨年4~5月の2カ月間では酒気帯びや飲酒検知拒否の道交法で逮捕された米軍人・軍属は10人だった。今年は10月24日以降の約3週間で道交法絡みで少なくとも14人が逮捕されている。

 17日に沖縄防衛局に抗議・要請した北谷町議会の仲栄真恵美子副議長は「異常事態であり、町民は不安と怒りを持っている」と不信感を募らせた。北谷町美浜の岡村悦子自治会長は「住民が巻き込まれたりしないか不安。子どもたちには夜に外を出歩かないように呼び掛け、巡回パトロールをしている」と声を落とした。

 米軍基地を抱える沖縄署では昨年、米兵らを対象に飲酒運転防止に関する講習会などの取り組みを実施してきた。だが、今年は新型コロナの影響で「飲酒運転の基地講習会はやっていない」(同署)という。

ストレス影響か

 米軍基地に詳しい前泊博盛・沖縄国際大学教授の話 相次いでいる米軍人による事件事故は主に若い人が飲酒絡みで起こしている印象だ。4月の普天間飛行場でのPFOS漏出は、新型コロナウイルス対策で隔離されていた海兵隊員らのストレス発散のためのバーベキューが原因だった。コロナ対策の厳しい行動制限などで軍人のストレスが高まり、その反動から酒を飲んで羽目を外すケースが多いのではないか。

 パラシュート降下訓練や県外訓練の実施など、軍事訓練が激しくなっている。訓練によるストレス増も要因の一つになっている可能性がある。