中国の大型商戦「独身の日」(11月11日)前後の消費需要を取り込もうと、インターネット広告代理店SEEC(東京都)の沖縄営業所は14日、ネット上で影響力がある中国人インフルエンサーが動画配信サイトで県産品をPRし、視聴者を購入に導く販売手法「ライブコマース(LC)」を実施した。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」で567万人のフォロワーがいる林萍(リンピン)さんを沖縄に招き、沖縄そばや泡盛ベースの梅酒、県産化粧品などを中国の視聴者に紹介。売り上げ規模は約150万円だったが、工夫次第で中国の旺盛な消費市場に参入できる道筋を示した。

動画配信サイトで生中継し、県産のマンゴージュースを中国の視聴者に売り込むリンピンさん(左)=14日、北谷町・レクー沖縄北谷スパ&リゾート

(政経部・仲田佳史)

 中国ではLCが普及しており、2020年の市場規模は9610億元(約15兆1650億円)に上ると予測されている。SEECは、新型コロナウイルスの影響でインバウンド(訪日外国人客)需要が見込めない中、中国の通販市場に着目。同社の新規事業として県事業を受託し、初めて試みた。

 中国のネット通販最大手、アリババグループの通販サイト「淘宝網(タオバオ)」に県内30社の県産品を出品し、中国の消費者が購入できるよう準備。タオバオのLC用動画配信サイト「淘宝直播(タオバオライブ)」に出演したリンピンさんが、生配信で商品を紹介してタオバオ内に誘導し、購入する流れを整えた。

 リンピンさんは、日本の最新商品や旅行情報を会員制交流サイト(SNS)で発信するインフルエンサー。日本の大手製薬会社がLCを依頼するなど独身の日前後は日本での出演が相次いでおり、来県は14日になった。

 沖縄のLCは北谷町内のホテルで撮影。リンピンさんが商品の味や作り手のこだわり、原料などをPRした。6万6千人が視聴し、午後5時から9時半まで4時間半で、県産シークヮーサーと月桃を使った樂園百貨店オリジナルのハンドクリームや、川平ファームのマンゴージュースなど約900点を売り上げた。

 三倉食品(西原町、佐久間健治社長)の沖縄そばは、開始約10分で300袋を完売した。佐久間社長は「海外への販路開拓には壁があると感じていたが、インフルエンサーを通じて発信する新たな販売方式が見えてきた。日本でもこの先、定着するのではないか」と期待する。

 コロナで飲食店や小売店などの業務用の販売が落ち込む中、日本人インフルエンサーによるLCも取り入れる考えを示した。

 リンピンさんは「中国で沖縄は海のきれいなリゾート地として知られていて、魅力が高い。食品だけでなく工芸品など付加価値の高い商品も出せば、売り上げはもっと伸びる」とLCの活用を呼び掛けた。