毎年1月に開かれる名護さくら祭りで多くの人々が花見に訪れる名護城公園。名護市東江の小橋川松晋(しょうしん)さん(76)は、ほぼ毎朝2時間かけて名護城公園南口の階段の落ち葉などを掃き掃除するのが日課だ。掃除を続けて約30年。はだしで頭にはタオルを巻き、夏は作務衣(さむえ)、冬は空手着が定番スタイルだという。「きれいになると気持ちがいい。体が続く限りは続けたい」と笑顔を見せる。(北部報道部・當銘悠)

名護城公園南口の階段の掃除を約30年続ける小橋川松晋さん=10月30日、名護市

 1990年ごろバブル経済崩壊の影響で、従業員として働いていた印鑑屋の仕事が激減。その頃から、空いた時間で何かできないかと始めたのがきっかけだという。

 その後10年間は市内の駐車場の管理人をしながら、出勤前に足を運んだ。「自分の家の掃除は好きじゃないけど、きれいにして誰かが喜んでくれるのはうれしい」

 悪天候の日以外はほとんど毎日訪れ、午前6時半ごろから2時間ほど、階段周辺を掃除する。

 長年続ける中で、顔なじみの人とあいさつする機会も増えた。「『お疲れさま』と声を掛けてもらうけど、好きでやっていることだから全然疲れないよ」とはにかむ。

 小橋川さんにとって毎朝の掃除は、自然の摂理や世の中の動きなど一つのことを深く考える時間であり、自然と向き合う時間でもあるという。

 「私たちは空気や水があってこそ生きられるし、自然に生かされている。自然へのちょっとした恩返し」と感謝の思いを抱きながら、今日もほうきを持ち続ける。

(写図説明)名護城公園南口の階段の掃除を約30年続ける小橋川松晋さん=10月30日、名護市