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首里城の大龍柱の向き「焦らずに」 研究者ら、新資料で検討

2020年11月23日 09:58

 「首里城再興に関する公開討論会」が22日、県立博物館・美術館講堂で開かれた。正殿の大龍柱の向きについて、相対向きを主張する国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」の高良倉吉委員長や、1877年に撮影された「最古」の首里城正殿の写真を確認し、正面向きを支持する神奈川大学の後田多(しいただ)敦准教授ら識者6人が討論した。また第32軍司令部壕の保存・公開の重要性で一致した。

古い資料や写真などを基に大龍柱の向きなどを考察する登壇者=22日、那覇市の県立博物館・美術館講堂

 討論会は首里城再興研究会(共同代表・石原昌家沖縄国際大学名誉教授ら12人)が主催。司会は沖縄国際大学の前泊博盛教授が務めた。動画も配信された。

 後田多准教授が紹介した、77年にフランスの軍人ルヴェルトガが撮影した首里城正殿の写真について高良委員長は、那覇市歴史博物館が所蔵する「御書院日記」など琉球側の史料でも「フランス人の来琉が裏付けられた」と話した。大龍柱は1992年の復元では相対向きとされ、今回の再建にも引き継がれている。高良委員長は「写真が向きを見直す根拠になるかどうか、検討されると思う」との見解を示した。

 後田多准教授は「琉球の視点で資料を集め、考えることが重要ではないか」と提言した。前回の復元で大龍柱を手掛けた琉球大学の西村貞雄名誉教授は、自身の研究を基に「正面説」を改めて主張した。

 「技術検討委員会」の安里進委員は被災した文化財修復に向けた人材育成の重要性などを指摘。大龍柱の向きについては「焦らずに、研究者の研究を待ってほしい」と呼び掛けた。

 第32軍司令部壕について同壕の保存・公開を求める会理事の高山朝光元県知事公室長は「沖縄戦の中枢だった」として、保存・公開の重要性を訴えた。高良委員長らも同意した。

 沖縄国際大学の友知政樹教授は「首里城の再興は沖縄県とウチナーンチュが主導すべきだ」と指摘した。

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