沖縄のヘイトスピーチ規制条例制定を考える「ヘイトスピーチ・セミナー」が23日、那覇市のタイムスホールで開かれた。国内のヘイト対策を前進させてきた師岡康子弁護士が講演。那覇市役所前の街宣を明白なヘイトだと非難し、「これだけ繰り返し被害を出している。他の条例(の先例)もある。すぐに条例を作ってほしい」と行政側に求めた。

ヘイトスピーチの現状を報告し、規制条例の必要性などについて講演する師岡康子さん=23日、那覇市・タイムスホール

 新型コロナウイルス感染者や医療従事者への差別を禁じる条例は、すでに全国20自治体で制定されたと報じられている。「やる気になれば数カ月でできる。条例は時間が掛かるという話ではない」と強調した。

 ヘイトスピーチは単なる誹謗ひぼう中傷と違い、「差別の問題」と説明。人種や性的指向など、変えることが難しい属性を理由に攻撃し、個人と集団の両方を傷つけると述べた。

 沖縄独自の論点として、米軍批判をどう考えるかも分析した。「米軍は出て行け」は、「米国人だから排斥する」という趣旨の発言ではないと解説。「ヤンキーゴーホーム」は、米国籍や米国ルーツの人々に向けた場合はヘイトスピーチである一方、基地反対の定型句として使われる場合は該当しないと述べた。

 国のヘイトスピーチ対策法が外国ルーツの国内居住者を保護するのに対し、中国人旅行者につきまとって怒鳴るような事案が起きている沖縄では、旅行者も対象に含めるべきだとも提言した。「中国人旅行者に言うのは、中国人居住者も同様に侮蔑しているということだ」と語った。

 主催した沖縄カウンターズのメンバーも登壇し、毎週水曜日に那覇市役所前に集まることでヘイト街宣を27週連続で止めていることを報告した。高野俊一代表は「カウンターを永遠に続けるわけにはいかない。行政の力をぜひ借りたい」と、条例の早期制定を県に望んだ。