つるが1日約10センチ伸びるとされる特定外来生物のつる性植物ツルヒヨドリが開花期を迎え、繁茂する範囲が広がっている。耕作放棄地などで縦横無尽に茂る名護市真喜屋区の通称「前田原」や屋部区の「長筋山原」、高さ約8メートルのモクマオウをすっぽり覆い隠す我部区の「大袋」など、さまざまな場所で繁殖が確認されており、地域で除草作業が行われている。

電柱などに群生したツルヒヨドリに除草剤を散布する我部区民ら=20日、屋我地島・我部

 ツルヒヨドリは繁殖力が旺盛で他の植物が生育できないほど成長するため、生態系などに被害を与える恐れがある。花の長さは約3ミリ。葉はハート形で向き合っている。

 我部区では、19日から3日間かけて眞喜志克也区長と区民らが大袋一帯に除草剤を散布した。作業をした眞喜志区長の兄の康則さん(69)は「多くの花が群生して咲いている。高さ約10メートルの電柱の真ん中までつるが伸びており、つるに覆われたモクマオウの外観はもうない」と途方に暮れていた。

 眞喜志区長は「3年前に市議の視察後、役所が除草剤を散布をしたが効果が見られない。サトウキビ畑まで伸びるとハーベスターでのキビの刈り取りができず、農家のダメージに直結する。いたちごっこだが花の咲くうちに散布しなければ。結実して実が飛び散ると繁茂の拡大は計り知れない」と嘆く。

 屋部区の大浜敏秀区長も「過去に数回区民で除草剤の散布を試みたが効果がない。花が咲いて生育する範囲が広がっているのが分かる。もう人力で駆除することは不可能ではないか」と悲痛な思いを話した。

 ツルヒヨドリはアメリカ大陸原産で、県内各地でも自生しているのが見つかり問題になっている。名護市内では屋部区や我部区のほか、東海岸地域などで繁茂しているのが確認されている。(玉城学通信員)