保育事業の大手、JPホールディングス(本社・名古屋市)グループが、那覇市で運営する企業主導型保育所「アスクあけぼの海宝保育園」を12月末で閉園することが24日までに分かった。同社は定員割れなどによる赤字が続き、今後も入園児の増加が見込めないためと説明。在園児は「保護者の理解を得て、転園や家庭保育などの対応を取ってもらう」とした。県によると、株式会社運営の保育園が年度途中に閉園するのは沖縄県内で初めてとみられる。

(資料写真)那覇市役所

 同園は国の助成を受けて運営する企業主導型の認可外保育施設として、2018年9月に開設された。対象は提携企業に勤務する従業員の子や地域に住む0~3歳児で、定員は60人。

 同社は利用園児が16人にとどまり、定員を大幅に下回る状況があったことなどから9月、保護者に閉園を通知した。認可保育所増で待機児童の解消が進んだことなどの背景を説明。年度途中の閉園には「近隣園に空きがあり、転園などのサポート体制も取っている」と理解を求めた。

 那覇市は「行き先が決まっていない園児について、市も協力して受け皿を探している」と説明した。

 4月から長男を同園に通わせている那覇市の30代女性は「慣れてきたころだったので閉園は残念。転園先は今より職場から離れることになるので、不便になると思う」と話した。

 同社グループが他に県内で運営する企業主導型1カ所、認可3カ所の計4園については現時点で閉園予定はない。全国200カ所以上の保育園を運営中で、本年度末で都内の4園の閉園も決まっている。

行政の関わり重要

 沖縄キリスト教短期大学の糸洲理子准教授(保育学)の話 保育は子どもの心身の発達を保障する社会的事業であり「子どもの最善の利益」を保障するために非常に重要な役割を担っている。そのため企業の利益が保育の必要性より優先されることが子どもの福祉になじむのか全国的に問題となってきた。施設都合による年度途中の閉園で子どもたちが転園先での突然の環境変化になじめるのかという心配もある。行政も関わり、子どもの保育の保障と保護者の子育て支援に丁寧に対応していく姿勢が重要だ。