米軍人による事件が後を絶たない。

 10月24日以降、この1カ月の間に強盗や傷害、器物損壊、酒気帯び運転などが少なくとも18件発生した。異常事態である。

 タクシー強盗事件が起きたのは今月7日。沖縄自動車道を走行中のタクシー車内で、客として乗車していた米海兵隊の上等兵が、乗務員の61歳男性の首を絞めるなどして暴行を加えたという。

 乗務員が停車して車を降り助けを求めている間に、上等兵は車両と現金1万円を奪って逃走したとして強盗容疑で逮捕された。呼気からは基準値を超えるアルコールが検知されている。

 密室で突然襲われた乗務員の恐怖を思うとぞっとする。

 ハロウィーンで多くの若者が街に繰り出した10月31日から今月1日にかけては、米兵3人が北谷町名護市でそれぞれ傷害容疑で逮捕された。

 今月20日には酒気帯び運転疑いで米空軍兵が逮捕された。米兵が運転した普通乗用車とオートバイが衝突し、オートバイに乗っていた高校生2人がけがを負った。

 相次ぐ事件で県民の生命や財産が脅かされる状況に憤りを覚える。ほとんどのケースで飲酒が関係していることからも、たがが緩んでいるのは明らかだ。

 深夜の外出や飲酒を規制する「リバティー制度」違反があったことを、県の指摘に対して米軍側も事実上認めている。規制を強化するとともに厳格に守らせるべきだ。

■    ■

 頻発する米兵事件の背景にコロナ禍の影響があるとの見方がある。

 米軍は9月、コロナ対策として禁止していた基地外での飲酒を一部緩和した。コロナ対策の厳しい行動制限でストレスが高まっており、その反動で酒を飲んで羽目を外している面もあるという。

 米独立記念日のあった7月初旬に多くの米軍関係者らが基地の外へ繰り出し、数百人規模のイベントなどに参加していたことが思い出される。県民が「3密」を避け、努力して感染拡大を抑え込んでいた時期で不安が広がった。基地内での集団感染も発生した。

 米兵のストレスの問題は組織内で解決すべきだ。その影響が県民に及ぶような事態は到底認められない。

 米軍に特権を与える地位協定が占領者意識を生み、事件頻発につながっていると指摘される。ローテーションで沖縄に着任した新兵に、どのような指導がなされているのか問いたい。

■    ■

 米軍関係の事件が起きるたびに綱紀粛正や再犯防止策の徹底が叫ばれ、外出制限措置などが打ち出されるものの、一定期間が過ぎると解除され再び飲酒運転などが増えだす。その繰り返しを県民は何度も見せつけられてきた。

 日米関係機関の実務者による事件・事故防止のためのワーキングチームの会合は3年余り開かれていない。

 日本政府は「沖縄の基地負担軽減を図る」と言いながら動きは鈍い。実効性ある再発防止策を米軍へ強く働き掛けてもらいたい。