「独り」をつないで ひきこもりの像

沖縄タイムスのひきこもり連載、貧困ジャーナリズム大賞

2020年11月27日 06:55

 【東京】貧困問題の現場を取材し、継続的な報道を通じて社会に訴えたジャーナリストに贈られる「貧困ジャーナリズム大賞 2020」(主催・反貧困ネットワーク)の表彰式が26日都内であり、沖縄タイムスの連載企画「『独り』をつないで-ひきこもりの像-」を執筆した篠原知恵、又吉嘉例、嘉数よしの、勝浦大輔の4記者が大賞を受賞した。大賞1点、特別賞と貧困ジャーリズム賞の12点が選ばれた。

反貧困ネットワークの宇都宮健児世話人代表(左)から表彰状や花束を受け取る沖縄タイムスの篠原知恵記者=26日、東京都・文京区民センター

 連載は昨年12月にスタート。貧困や生きづらさなどから、ひきこもり状態に陥った当事者や家族を長期にわたって取材し、苦しみや葛藤を伝えてきた。現在、第2部26回まで連載しており、近く第3部が始まる。

 同ネットワークは、全国には約115万人のひきこもり当事者がいるとし「沖縄タイムスの報道は、本人や家族の声なき声を拾い上げ、当事者目線で伝えている。全国の当事者や家族を大いに励ましたことは、想像に難くない。報道を機に、自治体において支援体制を強化する動きも出てきた」と報道の重要性や意義を評価した。

 表彰式で篠原記者はコロナ禍の中、ひきこもりの問題は以前にも増して身近になっているとし「ひきこもりは、だれにでも起こり得る問題。当事者や家族が『助けて』と言える社会をどうつくっていくのか、考えていきたい」と述べた。

 本紙の大賞受賞は2010年の連載「生きるの譜」以来2度目。

 そのほか貧困ジャーナリズム特別賞にあらいぴろよ氏のコミック「虐待父がようやく死んだ」▽隅田靖監督の映画「子どもたちをよろしく」、貧困ジャーナリズム賞に中国新聞の連載「この働き方大丈夫?」▽ドキュメンタリーコレクティブDocuMemeのNHK BS1 スペシャル「東京リトルネロ」など▽NHKのテレビ番組「分断の果てに“原発事故避難者は問いかける”」▽NHKのETV特集「調査ドキュメント~外国人技能実習制度を追う~」▽毎日新聞の連載「やまゆり園事件は終わったか」▽神奈川新聞取材班の書籍『やまゆり園事件(幻冬舎)などを中心とした報道について▽テレビ新潟のテレビ番組「桜SOS~フードバンクと令和の貧困~」▽朝日新聞の企画「内密出産 国は動かず」▽ジャーナリスト藤田和恵氏の「『コロナで失業』40歳男性はなぜ派遣を選ぶのか(東洋経済オンライン)」▽東京新聞の記事「足立区生活保護とりやめ問題」が選ばれた。

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