2020年度上半期(4~9月)に、新型コロナウイルスなどの影響で、1カ月以内に30人以上の従業員を解雇せざるを得なくなり、ハローワークに届け出た県内企業は11社(速報値)で、対象者が422人に上ることが26日分かった。確認できた09年度以降、最も多い。前年同時期は1社(対象29人)で、統計を取った厚生労働省は「コロナの影響が直撃した」とみている。
業種別では卸売・小売業や製造業、理美容業などの生活関連サービス業が主で、非正規職員が全体の67・2%を占める。
届け出は事業の廃止や、事業規模を縮小し、一定期間に相当数の解雇が見込まれる企業に義務付けられているハローワークに提出する「再就職援助計画」の認定件数。
11社を産業別に見ると、卸売・小売業3社で177人と対象者は最も多い。そのほか、生活関連サービス業・娯楽業1社で97人、製造業2社で92人、その他サービス業2社で36人、宿泊業・飲食サービス業3社で20人となった。
雇用形態の内訳は非正規が284人、正規138人で非正規が多い。
全国では、本年度上半期で469社が届け出を提出し、対象者は2万9396人に上る。うち、非正規が1万5189人、正規が1万4207人だった。主な都道府県は、東京都の89社で9280人、大阪府の28社で2006人が対象だった。
厚労省の担当者は、離職させる従業員数が少ない場合はハローワークへの報告義務がないため、実際の数はさらに多い可能性があると指摘。「雇用調整助成金などを活用して、雇用を維持してほしい」と話した。(政経部・玉城日向子)